So-net無料ブログ作成

【重要なご連絡】

先日、ネタバレサイトの摘発があり、逮捕者が出ました。記事によると発売前に画像を掲載し、広告収入を得ていたということでした。
このサイトは発売後の掲載であり、文章のみで、一円も収入を得ていない(泣)ことから今回の件とは少し異なるかと思いますが、暫く様子を見させていただきたいと存じます。
今後は感想のみを掲載しようと思います。
応援頂きました皆様には大変申し訳ございませんが、何卒ご理解頂きますよう宜しくお願い致します。


ただし、私も文章を書くのはとても楽しかったので、もし宜しければメールにて記事を配信したいと思います。
ご希望の方はこちらのメールアドレスまでご連絡頂きますようお願い致します。
管理人メールアドレスhishintai1001@gmail.com

nice!(1)  コメント(5) 

第529話 端和の勇

山界の王、楊端和率いる秦軍を犬戎が迎え撃つ。犬戎は山の民に突撃をかけ、挟撃し、秦軍を追い詰めていた。ロゾは舜水樹に退がり始めた秦軍の背を撃ち、ここで秦軍の半数を葬ると話す。
次々と斬られていく兵達を見て、楊端和は歯ぎしりをしていた。そして、ある山を見つけると、三族を連れて、奪いにいこうとする。他は壁軍とそのまま後退を続けるよう指示する。

山を駆け下りる犬戎と楊端和がぶつかる。楊端和の武が圧倒し、犬戎を弾き飛ばす。趙兵はそれを見て、あんな小さな山に登れば逆に逃げ場を失い、全滅するだけとらあざ笑うが、ロゾは楊端和が山を取ると侮れぬ動きをすると警戒する。楊端和は山の中腹から一斉五射の号令を出し、犬戎に向かい、矢を放つ。また、山を取り戻そうとする犬戎に対して、突撃し、敵を炸裂させる。
壁は楊端和が拠点を作ったこともあり、百歩退がったところに前線を作り、敵を挟撃しようとした。

それを見たロゾは楊端和の実力を認め、生皮を剥ぐには少々惜しいと呟く。舜水樹はお前がやらないならおれがやると言うが、ロゾに調子にのるな、おれの獲物だと制せられる。舜水樹はどちらでもいい、我らがここで勝ち、向こうの戦場でも李牧が勝つと力を込めて言う。


橑陽より北東へおよそ三百里。もう一つの戦場でも大きな異変が起きようとしていた。紀彗の首を取ってこいと言われた飛信隊は隊を進めていた。森を抜け、ついに左の戦場に辿り着く。河了貂は聞いている以上に麻鉱が押し込んでいることに驚く。さらに奥に楽華隊が、紀彗本陣に迫っていた。信は黒羊であれほど手強かった紀彗を追い詰めている蒙恬に素直に驚いていた。羌瘣は紀彗と首を取る好機だと言い、信は紀彗の首を取るべく、突撃の命令を出す。
朱海平原開戦初日、最大の衝撃はすぐそこまで迫っていた。





さすが楊端和というところですね。武力で劣勢を跳ね返した。これから縺れそうですね。
朱海平原初日の最大の衝撃とは何か。誰かの首が飛ぶことは間違いないが、左の戦場であれば、紀彗、馬呈、麻鉱の三人の内の誰かということになりそうですね。
李牧の描写が何もないところからすると、知らない内に麻鉱に魔の手が伸びているかもしれませんね。

nice!(3)  コメント(6) 

第528話 犬戎の末裔

壁は橑陽城を見て、城が山と一体化して砦になっていることを確認する。楊端和は崖上の黒い兵達から獣の気配を感じていた。
趙兵は犬戎の末裔が趙王都圏の橑陽城にいることに戸惑う。舜水樹は犬戎は周を滅ぼした後、中華への定住に失敗し、族のほとんどは北の大地に流れ、匈奴に変貌したと言われていると説明する。公孫龍はだが、一部は太行山脈を縄張りとして、中華に残り、その後趙国がこの地に生まれ、犬戎とは戦わないために橑陽を与え、趙の中に取り込んだのだと付け加える。さらに犬戎本人達は取り込まれたとは思ってなく、実際橑陽には犬戎の自治権があり、趙からすれば治外法権の領域で趙の要人ですら誰も近づかなく、噂では無断で縄張りに入ってきた相手は容赦しないと話す。

犬戎は叫び、一気に崖を駈け下る。楊端和はそれを見て来るぞと叫ぶ。舜水樹は趙兵に道を開けるよう指示する。シュンメン隊は犬戎とぶつかるべく、突撃する。しかし、山の民は劣勢であった。
犬戎王ロゾは公孫龍の前に立ち、この軍の大将は貴様かと尋ねる。そうすると舜水樹はこの大将はおれだとロゾに言う。ロゾはさっそく此奴の首を刎ねよと部下に指示するが、舜水樹は犬戎族の言葉で早まるな、伝えることなく戦に巻き込んだのは詫びるが、今は趙宰相李牧の代理で来ており、舜水樹を切ることは李牧を斬ることと等しい、趙宰相を殺めてはさすがに犬戎族に明日はないと説く。ロゾはなぜ我らの言葉を話すのかと問うと舜水樹は匈奴の言葉だと返す。ロゾはそれにしても流暢であり、訳ありかと呟く。そこまで犬戎族の言葉で話していたが、ロゾは平地の言葉に切り替える。ロゾは貴様らの王はクソだが、李牧は年に一度自ら橑陽に赴いて雁門のうまい羊を振舞ってくる、話を聞くだけ聞こうと言う。舜水樹は単純な話だ、こんなところまで侵攻してきた秦軍を共に戦って跡形もなく叩き潰す。この戦いで趙が敗れるのうなことがあれば鄴は奪われ、この地に今の何倍の秦軍が押し寄せ、攻め取られると話す。ロゾは脅しかと問うと舜水樹はいや、見返りは来年以降も李牧自ら振舞われるうまい羊の肉だと返す。
ロゾはそれを聞き、悪くないなとし、山の王などとのぼせ上がっている小娘の生皮をこの手で全て剥ぎ取ってくれると断言する。





さすが李牧。こういう時を見込んでと言う訳ではないと思いますが、国内に巣食う言わば毒とも成り得るものとも友好関係を結んでおり、自分が危機的な立場になった時に助けとなる。あまりクローズアップされないかもしれませんが、李牧の恐ろしさの一つだと感じました。

nice!(3)  コメント(3) 

第527話 橑陽の牙

早くも両翼の熱戦が展開する李牧と王翦の朱海平原の戦い。その地より南西に約三百里ではもう一つ重要な戦いが同時進行していた。山界の王楊端和軍対橑陽軍の戦いである。

壁は山の民の戦いぶりを見て、その強さに驚きを隠せないでいた。壁の援軍一万が加わらずとも山の民五万で九万の敵を圧倒していたのだ。しかし、楊端和は趙軍の戦い方が単調であるため、何か狙っているかも知れなく、流れ次第ではすぐに壁に出陣してもらうと話す。
そこに少数の騎馬が楊端和本軍の前を通る。その騎馬は舜水樹が率いており、山の民の亡骸を引き摺っていた。そして、舜水樹の合図と共に遺体に矛が突き刺さる。さらに舜水樹は楊端和を指差し、挑発する。それを見た山の民は怒り、舜水樹の後を追う。公孫龍は顔に似合わず派手な登場だとし、迎えの隊を送る。山の民の陣では楊端和はしっかり顔を覚えたぞと怒りを露わにする。

舜水樹は趙本陣で全軍退却を指示する。舜水樹は戦いで勝つにせよ、奴らを深く引き込み、一人残らず息の根を止めたいと考えていた。懸念としてはここで討ちもらした残兵が李牧の朱海平原に流れることであった。公孫龍はどこまで後退をと尋ねると舜水樹は橑陽城までだと返す。公孫龍はそこには厄介な…と焦るが、舜水樹はそのまさかであり、橑陽の牙で秦軍を引き裂くと断言する。

山の民と戦っていた趙軍は全軍退却を開始した。山の民は不自然な退却に素直に追って大丈夫かと楊端和に聞くと追わずに視界から消えられ、軍を分けて鄴に行かれる方が厄介だと返す。壁は敵の意図はともかく、兵糧攻めしている秦軍の目的は鄴に敵を近づけぬことであり、後ろに追い込むことは鄴から遠ざけることで、好都合と考えた。しかし、それを聞いた山の民はそれ故不気味だと気付かせる。楊端和は退がる理由としてはこの先に趙に有利な戦場があるのか、強力な援軍が待っているかのどちらかだと話す。

趙軍では公孫龍が舜水樹に本気で橑陽城をこの戦いに巻き込むのかと尋ねる。舜水樹はそれに答えず、他の部下がさっきの橑陽の牙とは何かと尋ねる。舜水樹はここにいる軍は橑陽軍であるが、橑陽一帯の城から集められたもので、真の橑陽城の兵ではないとし、橑陽城には趙人とは異なる人種の人間が巣食っているのだと説明する。

楊端和は橑陽城まで来ると全軍停止、敵の突撃に備えよと支持する。それは犬戎であった。橑陽には中華の周王朝をその手で滅ぼした大犬戎族の末裔が城を占拠していたのだ。




犬戎族ですが、たぶん趙にとっては厄介な存在なんでしょう。それを秦軍にぶつけるとは毒をもって毒を制すようなものなのでしょう。山の民は犬戎族と趙軍九万を相手にするという非常に苦しい戦いになってきましたね…
ちなみに舜水樹の挑発は楊端和に橑陽まで確実に追って来させる以外にも何か意図があるのでしょうか…謎ですね。

nice!(3)  コメント(8) 

第526話 槍と鉄槌

鋭き槍術の使い手王賁と馬南慈の一騎討ち。王賁は連続の突きを馬南慈に浴びせる。番陽は王賁の槍に速さと正確さに加え、紫伯のような破壊力まで付いてきた姿を見て、間違いなく中華五指に入ると確信する。
馬南慈は王賁の槍に圧されるが、何とか矛で受けきっていた。しかし、矛を振ろうにも間合いに入る前に凄まじい連打が飛んでくるため、防戦一方になっていた。さらに、部下より刻がなく、一旦離脱しましょうと進言を受ける。
馬南慈はそれを否定し、この男に鉄槌を喰らわしてはおらぬと矛を王賁に投げつける。王賁はそれを槍で払いのけるが、馬南慈は王賁に飛びかかり、右手を掴むとそのまま馬から引きずり下ろし、渾身の拳を王賁の頭めがけて振り下ろす。間一髪のところで王賁はその拳をかわす。
そして、馬南慈は部下から矛を投げ渡される。それを掴むと同時に背後からきた亜光と刃を激しくぶつからせる。力の勝負に馬南慈は亜光の方が相性がいいと感じる。
そして、馬南慈は猛者二人同時に鉄槌を落とすには連れてきた兵力が少々不足していたとその場を去ろうとする。亜光は逃げ切れると思うかと言うと馬南慈は逆にこんな初日で馬南慈の首が取れるとでもと聞き返す。
そこに後ろから趙軍が現れる。亜光が左側に来たため、兵力が固まり、趙軍の第一陣が復活してしまったのであった。押し込まれていた岳嬰が息を吹き返すには十分の隙であった。趙峩龍はそれを見て、馬南慈は戦をよくわかっていると感じていた。趙峩龍の部下はさらに我々が出陣すれば形勢は一気に趙側に傾くのではと尋ねるが、趙峩龍は出陣は敵がもっと弱ってからだ、十分弱ってから食しに行くと返す。

その頃秦軍中央本陣では信が王翦に呼び出されていた。王翦は信に隊内で脚の速い八百機を選りすぐり、今すぐ出陣せよと命令を下す。信がどちらの戦場へと尋ねると王翦は左だ、左の戦場に割って入り、お前が紀彗の首を取って来いと指示する。




まずは合併号のため、来週はヤンジャンの発売自体ありません。
おー遂に飛信隊出陣ですね!!しかも紀彗の首を取れという指示でなかなか痺れますね。秦軍はちょっと左に戦力が寄りすぎな気がしますが、それも作戦の内でしょう。信と羌瘣でぜひ紀彗を討ち取って将軍昇格を確実にしてほしいと思います。

第525話 馬南慈の気概

秦右翼の窮地に突き刺した玉鳳隊の奇襲の槍。指令違反の行為であったが、亜光は百騎を連れ、玉鳳隊と挟み込み、馬南慈を討つべく、向かう。
王賁は馬南慈隊の後方を分断し、前方を孤立化させる。そして、後方を関常に任せ、そのまま馬南慈を討ちに進む。関常は今回の命令違反は独立遊軍の働きとしては悪くなく、この突撃で亜光軍第一陣の危機は救われ、逆に入ってきた敵将を窮地に陥れ、もし、このまま敵将まで討ち取るなら、右の戦場は序盤にして大いに秦側が優勢となると評価していた。

王賁は馬南慈を討ちに向かうが、部下から前を固められる。それはその部下が嫌な予感を感じ取ったからである。
そこにいきなり馬南慈が現れ、王賁の前を固めた兵たちを一振りで身体を分断する。
馬南慈は趙左翼三将が一人馬南慈であると名乗る。番陽はその姿を見て、蒙武並みの巨躯だと感じ取った。しかし、王賁は知らぬ名だと吐き捨て、さらにこの王賁が一撃で馬南慈の眉間に風穴をあけてやる故、覚えるまでもないと続ける。
馬南慈は趙国内の話だが、名を馳せた武将が次々と雁門に派遣されては一月残らず死んでいったため、修羅場での飾られた名など何の意味もないと返す。
番陽は噂では雁門は匈奴との戦いで中華の争乱以上に死地になっていると聞いていた。
馬南慈はこれまで北部全域を踏みにじらんとする匈奴以上に憎らしい奴らは他におらぬと思っていたが、去年李牧と共に咸陽に出向き、王に会ってから、考えが変わった、北部どころか六国全てを踏みにじらんと軍を興す秦王こそ人の皮をかぶった獣中の獣よ、匈奴に劣る愚か者共にこの馬南慈の鉄槌をとまで言うと王賁は馬南慈の眉間を目掛けて槍を突く。馬南慈はそれを弾き返す。
王賁は他国の王を嘲る前に少しは史を学べ、この五百年で百あった諸国が七つに淘汰された、一大国という流れはこの中華史が求める答えという見方もできる、しかし、趙将の言い分も百も承知であり、互いの思いの折り合いがつかぬから力で是非を決するこの戦場がある、来い馬南慈、秦王の刃として、貴様をここに沈めてやると豪語する。





まず始めに来週は休載です。
王賁対馬南慈という図式になりましたね。王賁の秦王の刃としてという言葉は素直に嬉しいと思います。政の想いが前線の武将にまで浸透しており、その目標のために一緒に突き進んでいるというところが、イイですね。
今後の展開としては馬南慈と王賁は僅かの差で馬南慈が上回っており、それを亜光率いる百騎が助け出すのではないかと…
nice!(3)  コメント(7)  トラックバック(0) 
共通テーマ:コミック

第524話 覚悟の比重

王翦軍第一武将亜光による突撃。亜光軍と岳嬰軍は激しくぶつかり合う。両軍共に弾け飛ぶが、亜光軍の後続は自軍の兵も関係なく、踏みつけて全速力で突進していく。その非常な程の躊躇さの無さが相手側と大きな力の差を生み、亜光軍が圧倒的に押し込み始める。関常は王賁に対し、玉鳳隊の騎兵も全秦軍の中でも指折りの実力ではあるが、あそこまで勝負に徹する冷酷さはなく、亜光は王賁が考えるより何倍も強いと語る。

馬南慈は趙峩龍に対して、なぜ第一陣を岳嬰に譲ったのかと尋ねると岳嬰軍は強く、その軍がぶつかれば敵の力量が図れるからであり、早くも敵が二万とみて侮ってはならぬ相手だと分かったと話す。馬南慈は同感だとし、第二陣として、出陣する。趙峩龍は少々早いのではと聞くと馬南慈は秦軍は趙を滅ぼす気で来ており、道を踏み外す程に思い上がった愚か者に怒りの鉄槌を食らわしたいからだと返す。

参戦してきた馬南慈は軍を主攻三千と助攻七千に分け、助攻七千を援軍に来るであろう亜光軍第二陣にぶつけ、壁を作り、主攻三千で亜光軍第一陣の脇腹に強烈な横撃を加えた。それを見た趙峩龍は馬南慈はただの武偏重の猛将ではなく、戦術眼も鋭いため李牧が副官に据えるだけのことはあると認識する。さらに持ち合わせる武が介子坊や廉頗に近しいとするなら李牧軍対王翦軍の戦いそのものの勝敗のカギを握る男かも知れぬと感じていた。

亜光軍第二陣が苦戦している中、乱戦の亜光軍第一陣と第二陣の空間を疾走する騎馬隊があった。それは王賁であり、中間を討って馬南慈を孤立させる狙いであった。
関常は命令無視の王賁に対して、あとで亜光から説教ですなというと王賁はうるさいとだけ返した。




王賁が早くも戦場に飛び出しましたね
人の言うことを聞くようなタイプではないですが、これが吉と出るか凶とでるか。
また馬南慈は李牧副官に相応しい実力を持っていそうですね。さすが李牧、人材登用も優れているのでしょう。

第523話 秦軍右翼の刻

王翦は蒙恬の隠れた真価を鋭く捉え、見事に左の役目を果たした暁には我が側近として幕僚に加えてやってもいいぞと勧誘する。しかし、蒙恬は笑えない、おれを入れるくらいなら、その前に入れるべき男がいるのでないかと拒否する。

趙軍左翼は三万の兵力を備えていた。馬南慈、岳嬰、趙峩龍がおり、馬南慈がこの中で誰が一番槍を務めるかと言うと岳嬰はおれが行くと前に進もうとする。
馬南慈が勝手だぞと止めると岳嬰はお前たちのことはほとんど知らぬ故、そんな奴らにこの戦場の第一刃を任せられないと睨み付ける。
趙峩龍は李牧の副官という肩書きで只者でないことは十分察しがつくと思うがというと岳嬰はお前こそ誰だと問う。それには馬南慈が答える。趙峩龍は元趙三大天藺相如の側近であり、中央にいる尭雲と二人して、長年王都圏の秩序を守ってきた影の英雄だと説明する。さらにわかりやすく言えば同時期の元趙三大天廉頗の側近、介子坊、輪虎の類の男だと付け加える。

秦軍右翼は亜光軍二万が横陣を敷き、その後ろに玉鳳隊がいたが、まだ指示が来ていないことに混乱が走っていた。そこに亜光が王賁の目の前に現れる。亜光は王賁に作戦を伝えに参りました若君と口を開く。
開戦の激突は亜光が請け負う故、玉鳳隊は横陣には入らず、乱戦の場から離れ、本来の持ち味を出す遊撃隊になり、好機が来たら伝者を送る故、それまで待機をと指示すると王賁は誰が練った策だと問う。亜光は王翦と自分で練った策だと答える。王賁は愚策だと切り捨て、玉鳳隊は一万の敵とも対等に戦う力を有しており、兵力で劣る秦軍は玉鳳こそ中に入れ、力の拮抗を図って然るべきだ、玉鳳隊を横陣の左端に組み込め、左から戦局を動かすと言うと亜光はそれでは初日から玉鳳隊の血が流れ過ぎると否定する。それを聞いた王賁は怒り、妙な特別扱いをするな、この状況で玉鳳隊を外に外す真っ当な理由はないと怒鳴ると亜光は自惚れなさるな、誰も貴方を特別扱いなどしていない、これは良くも悪くも双方の意見ですと諭す。
それを聞いた関常はさすが亜光はわかっていると感じる。王翦が策に関わったとするなら王賁を本戦に加えられなかったのは傷つけぬための親心ではなく、期待されていないという判断であると認識する。
そこに敵の第一陣が動いて来ており、亜光にすぐ戻るよう依頼が入る。亜光は最後にこの開戦の時に亜光自ら伝えに来た重みを汲み取っていただきたい、玉鳳隊の力が必要な時、その力が半減していては戦術がそこで終わってしまう、どうかその時が来るまで冷静に、案じられずとも右の戦場は亜光軍、玉鳳隊が共に死力を尽くさねば勝ちは見えてこないと諭す。

趙左翼第一陣は岳嬰軍でその数はおよそ一万であった。亜光はそれを見て、自ら一万を率いて出陣する。
関常は王賁に亜光は小細工を好まぬ武人であり、正面から堂々と思いっきり敵にぶつかりに行く、兵士も亜光の分身みたいな奴らばかりなので、何の恐れも抱かず突き進むと語る。

そして岳嬰軍と亜光軍がぶつかる。関常は王賁に父君に認めてほしいなら、王翦が最大の信頼を置く、第一武将亜光の戦いをよく見ておくといいと語る。





遂に右翼の戦いが始まりしたね。王翦は家族であろうと勝つための一つの駒としか考えないのでしょうね。ドライとは思いますが、理解はできますね。
でも王翦なら王賁をこういう扱いをすると逆にプライドが傷ついた分、粉骨砕身で戦うということを予測してるということを期待しています。。。

第522話 左翼の絶望

王翦に左翼本軍が攻撃を始めた模様という報告が部下から入る。
趙右翼紀彗軍本陣では秦軍の第二波五千の騎馬隊の攻撃を受ける。さらに奥にいた秦軍は一つの軍を二つの波に分け、攻撃を仕掛けようといていた。それは波状攻撃であった。
麻鉱軍第二波により紀彗軍の隊形は大きく崩れ、大きな被害が出ており、一方的な展開になっていた。麻鉱はこの一方的な展開は陽動の功であり、蒙恬の活躍ぶりを称賛した。

麻鉱は出陣する前に王翦と蒙恬と作戦の打合せをしていた。そこで蒙恬は左翼本軍到着までの囮の役目しかと承りましたと答える。麻鉱は重大な役目だぞと釘を刺す。さらに全王翦軍の中で最強の攻撃力を持つ麻鉱軍の力をどう趙右翼軍にぶつけるかは蒙恬にかかっているものの、蒙恬が失敗しても左が負けることはないのだがなと嘲笑う。蒙恬は麻鉱の言葉に反論せず、麻鉱の目をずっと見ていた。麻鉱は王翦に生まれの良さを鼻にかけた目つきをするこの若造に何か囮となる策を一つとお願いしようとすると蒙恬は必要ありませんと断る。蒙恬は心配せずとも楽華隊の戦い方できっちり麻鉱軍の波状攻撃につなげると言い切った。麻鉱はなぜ波状攻撃をかけると知っていると聞くと、蒙恬はそれには答えず、最高の形を作って待っているので、そこからはしっかり頼みます、もたついたら主攻の座をうちがもらいますからねとだけ返した。

趙軍兵士は見えていなかった敵の奇襲を受け、敵数を実際よりはるかに多いと錯覚していた。さらにそこへ、五千もの騎馬第二波が加わったことで、紀彗兵は敵が数万に膨れ上がったような重圧を受け、大きく士気を下げさせられていた。しかもこれが第三波、第四波と続いてくるため、この強烈な波状攻撃をさらに横腹に喰らえばもはやこの戦場の勝敗は決したも同然であった。
だが、紀彗がそれをさせなかった。次々と指示を出し、立て直しを図ろうとする。部下からの本陣を後ろに移動し、後退し、前線を作り直すという進言を退け、全隊に本軍死守の令を出し、奮い立たせようとした。さらに敵が少数であるとことも全隊に伝えよと指示する。これは総数で負けている王翦の策であり、単純な戦力は紀彗軍の方が上であり、今の流れに押し切られさえしなければ必ず勝てると檄を飛ばす。
だが実際は楽華隊の奇襲及び麻鉱軍の波状攻撃により、兵力は同等か逆転していたのであった。無論そこは承知の上での檄であった。
この戦局の移ろいの中で麻鉱以上に紀彗が脅威を感じたのは蒙恬であった。

蒙恬は引いていく馬呈を見て、紀彗軍の本陣は健在で波状攻撃に耐えていると判断し、王翦が想定していた配置になったと語る。

紀彗本軍では対策が練られる。紀彗は蒙恬の遊軍が挟撃してくる可能性を危惧していた。部下からは楽華隊は本軍襲来のためのただの囮だったのではないかと聞くと囮で終わらすには五千の隊は大きく、波状攻撃を止めるために全力を注がなくてはならない紀彗軍に対して、五千の遊軍は真横からでも背後からでも決定打を撃ち込む最大の脅威であると話す。紀彗はそうなると戦局は遊撃隊を率いる将の才覚次第で大きく変わるが、開戦からの動きを見ても蒙恬は只者ではないと感じており、開戦前にここまでの盤面を描ききっていた王翦に恐れを感じていた。

王翦に左翼の戦局が伝わった際、王翦はやはり見えておったかと呟いた。そのつぶやきは左翼配置を伝えられた時の蒙恬のもたついたら主役の座をうちがもらいますからねという発言に対してであった。つまりその時すでに蒙恬にも王翦と同じ盤面が見えていたのだ。
蒙恬は一度敵の視界から消え、次の一手で大将紀彗の首を取ると宣言する。






さすが蒙恬!!!天才的な戦術眼を持ち、王翦のやはり見えておったかと言う一言に蒙恬の才能を認める気持ちがしっかり入っているのだなと嬉しくなりました。
しかし、紀彗って確か本能型の将だったと思うけど、未だにその片鱗は全く見えず…
あと、天才李牧はどう仕掛けくるのか、、、右軍救済に動くのかな

第521話 機動の妙

数の不利をものともせず、紀彗軍を楽華隊は翻弄する。狩場に引き込まれた紀彗兵は楽華隊にことごとく蹴散らされ、本陣まで退却する。蒙恬はそれを追いかけ、徹底的に背を叩いた。
その苦戦の様子は紀彗と馬呈に伝えられ、怒った馬呈は騎兵五百を引き連れて、楽華隊に襲いかかろうとする。
蒙恬はそれを見るとすかさず退却しようとするが、馬呈は逃すまいと追いかける。紀彗は今すぐ馬呈を呼び戻そうと伝令を走らせる。
蒙恬は黒羊戦の全容の情報から紀彗軍に関してほぼ丸裸にしていた。馬呈は紀彗の側近中の側近であり、圧倒的な武力で紀彗軍の攻を一手に担う男で、もう一人の片腕の劉冬亡き今、馬呈を討てば紀彗軍の力は半減すると分析していた。蒙恬は願ってもいない好機であるため、序盤で馬呈を仕留めようと考える。
馬呈が蒙恬達騎馬隊に追いついた瞬間、じい達が参上し、馬呈に襲いかかる。歩兵も来ており、蒙恬は再び旋回しら背後に回って、退路を断ち、馬呈の首を取ると宣言する。しかし、馬呈が振り下ろした斧に楽華隊は粉砕される。蒙恬は馬呈の力は報告以上だと認識する。

紀彗軍本陣に馬呈と楽華隊が乱戦に入ったことが伝えられる。紀彗は蒙恬の戦いぶりをみて、数多の戦い方を熟知していると感じていた。蒙恬は騎馬の機動力を駆使し、急襲と離脱を繰り返し、紀彗軍の戦力を削ぎ続ける戦術であり、放っておけば外側の歩兵がやられ、半端な数の騎馬で追えば奥に罠をはられ、それも討たれてしまうのであった。そこで紀彗は三万の全力で追い詰めて一撃で楽華隊を消滅させるべく、全軍右向きに陣形を変えさせる。紀彗軍は目を疑う程の早さで陣の形を変え、出陣した騎兵と歩兵は全速力で楽華隊に迫っていった。
しかし、結果これが完全に裏目にでる。紀彗軍全軍が右側に陣形を変えきった時、それまで正面だった左側より地平を埋め尽くす程の秦の騎馬隊が出現したのである。それは中央軍にいた王翦の片腕麻鉱軍五千であった。さらに出現した騎馬隊の奥にさらに五千の騎馬隊が紀彗軍に向かっており、さらにその奥に五千から一万の歩兵大軍勢が紀彗軍に向かっていた。



なんと序盤からすごい展開になって来ましたね。王翦のとんでもない作戦にいきなり紀彗軍はピンチに陥りましたね。しかし、そのきっかけを作った蒙恬はやはり非凡であり、その力は紀彗も認めるところでした。
ところで、麻鉱の奥の騎馬隊の五千とその奥の歩兵大軍勢はどの軍だろうか…やはり王翦軍のどこかの部隊なのでしょう。飛信隊を投入するには早い気がしますし…
ここで、天才李牧はどう巻き返しを図るのか、このまま右翼がもぎ取られるということは流石にないでしょう。