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第517話 削り合い

李牧は悼襄王に謁見する。そこで悼襄王は李牧に対して、言い訳だけは達者だなと吐き捨てる。
李牧は処罰はいかようにも、しかし、事態は急を要するため精鋭を誇る邯鄲軍の内、十万を出陣させる許可を願い出るが、悼襄王に拒否される。悼襄王は邯鄲軍がこの王都から一兵たりとも出ることはあり得ぬと断言する。
李牧は鄴が落ちれば数年のうちに邯鄲にも秦軍の刃が届くと説明する。悼襄王は構わんと返し、秦の刃が届いたところで邯鄲は落ちるわけではない、鄴とて難民さえ受け入れなければ不落の城であったと続ける。さらに悼襄王は邯鄲が包囲されても十年でも二十年でも籠城は可能だと話す。
李牧はそれでもいつかは落ちますと言うと病がちな自分はその頃とっくに寿命でいっている、国がどうとか民がどうとか後のことなど知ったことかと嘲笑う。
そして、李牧に対して、さっさと失せて職務を果たせ、鄴を失えば李牧とその一党諸共皆殺しだと命令する。

李牧が廊下を歩いているところに太子が現れる。太子は李牧に対して西より早く戻ってきたことに感謝する。また、この戦局に関わらず、邯鄲軍が動かぬこと、父の難儀を代わりに詫びさせてくれと言い、必要とあらば兵の士気を上げに前線にて矛を振るう心構えであり、遠慮なく声をかけよと話す。李牧は心得ましたが、その必要がないように努めますと言うと、太子は今が正念場だ、鄴を頼んだぞと力強く言う。李牧は今の暗闇を凌げば太子の時代に趙は真の光が差すと信じていた。

王翦は幹部を全員集めて、王都圏の戦いの全容を説明し始める。趙は鄴の食糧が尽きて城が陥落する前に王都圏の各軍が四方八方より鄴を解放せんと群がってくる。防ぎようのない敵に思えるが実際のところ鄴を一撃で解放する力を有する軍は閼与と撩陽の二つであり、これが鄴まで届けば鄴包囲網は間違いなく崩壊すると断言する。そこで、鄴はこのまま桓騎軍六万で包囲を続け、閼与と撩陽以外の趙軍襲来に関しては全てこの六万で対処してもらうと言う。撩陽軍は楊端和が今相対している相手であり、撩陽城から増援を送ればゆうに十万超えとなるため、壁が一万の軍勢を率いて援軍に迎えと命令する。そして、閼与へは王翦軍七万と玉鳳隊五千、楽華隊五千、飛信隊八千三隊を加え、八万八千で北上し、迎撃すると宣言する。貂は閼与に偏り過ぎじゃないかと危惧するが、王翦は閼与が本命であり、李牧が必ず閼与軍に入って攻めてくるからだと語る。

邯鄲では秦軍が撩陽と閼与の軍の迎撃に出てくるという情報が入ってきていた。
李牧は舜水樹に対して撩陽軍に入り、大将となり指揮を執ることを命じる。残りは全て李牧とともに南下中の閼与軍に入り、将校として戦ってもらいますと宣言する。傅抵がこっちに面子を固め過ぎてはと危惧するが、李牧は王翦も必ず閼与に向けて戦力を厚くしてくると言い、ここからはいよいよ力と力の勝負と言う。鄴の陥落か解放はどちからが相対する敵を討ち破るかどうかにかかることになりましたと語る。




ついに鄴攻略戦の戦いの構図が見えてきましたね。舜水樹と楊端和はたぶん互角の戦いで楊端和が撃破されることはないと思いますが、李牧対王翦はお互いにどちらかが撃破されるまで死闘を繰り広げられるのでしょう。駒としては紀彗等もいることからやや李牧側が有利な気もしますが、始まってみないとわからないですね。きっと武神もどこかで出てくるのではないかな?

しかし、悼襄王は生まれだけが恵まれていただけで、王たる資質は何一つないですね…その王からあの太子が生まれるとは…すごい…

第516話 陥落の武器

李牧が簡単に到着する。そこには李牧を待つ趙将が揃っていた。趙将は李牧に邯鄲軍の出陣は叶わなかったものの、私兵は許されたことと、北の炎城、文城から一万ずつ南下しており、もうすぐ邯鄲に到着することを報告する。
趙将は二万を鄴へ進めるか李牧に尋ねると李牧は鄴は中華でも最強の部類に入る城であり、秦軍に攻め落とされることはないため、逆に秦軍を鄴に集め、それを趙軍で囲って動かず兵糧攻めにするとした。
李牧は趙王との謁見を済まそうと王宮に向かおうとした時、胡周が現れる。李牧は胡周に鳥の伝令を行動に移したことを感謝する。胡周は王都圏内部から続々きており、その内容は秦の本軍はさらに三軍に別れ、途中の城を落としながら鄴に近づいており、途中の九つの城が落とされたということを報告する。李牧は公孫龍の九万はと尋ねると山民族の軍と睨み合いのまま、東へ移動しているため、王都圏南部に出た難民が北へ逃げきれずにいると報告する。
李牧は難民という言葉に引っかかりを感じる。胡周は秦は落とした城の民を全員外に追い出した模様と言うと傅抵は王都圏南部には難民が大勢彷徨っているのかと困惑する。李牧は彷徨っていないと否定する。秦軍は手分けして西から順に落として東進しており、北には前線の壁があるため、難民の大群は鄴に向かっていた。

鄴では難民で溢れかえっていた。鄴の城主趙季伯は西壁長の晋利間の城門を閉めるという進言に対し、民こそ国の礎であり、秦軍が来るギリギリまで門を開いて難民を助けよと退ける。

邯鄲の舜水樹は李牧に鄴へ今すぐ鳥を飛ばすべきにかとと進言するが、李牧はもう間に合わないでしょうと焦る。さらに王翦は列尾を落とした後、鄴を見に行き、実際に見て力技では落とせぬ城だと気付き、真っ直ぐ鄴へと向かわずにわざわざ九つもの城を落として回ったのであった。李牧も読めなかったその目的は鄴を落とすための武器を作るためであった。

鄴ではようやく難民の群れに切れ目が見えて来たが、その遠く後方には狼煙が上がっており、秦軍の侵攻を報せたのであった。
李牧は鄴が難民を受け入れた後、想定通りに籠城に入るのであろう、しかし、想定外なのは内部に九城もの民を抱えてしまったことであり、秦軍の兵糧が先に尽きるか九城の民が鄴の食糧を食べ尽くすかという兵糧攻め合戦となると語る。
そして、王翦は鄴を桓騎に任せて李牧が鄴を解放しに来る前にこちらから攻め上がらねばならぬと自ら出発する。





まずは来週残念ながら休載です。
敵地で兵糧攻め合戦とはなかなかすごい発想ですね。しかし、仮に鄴が先に力尽き、鄴を占領できたとしても兵糧がなければ秦軍もいずれ力尽きるような気がしますが、、、、
鄴への補給路の確保が必要になりますね。列尾を取り返された今、どこから誰が補給するかが重要な鍵になるかと思います。それが王翦が昌平君に頼んだ内容ではないかと推測しております。
今後は王翦が飛信隊、楽華隊、玉鳳隊を引き連れて、李牧軍と対峙するのでしょう。中華最強の頭脳同士の戦い楽しみです。