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第510話 新兵達の夜

列尾城内では干斗が荒れていた。厳しい選抜を抜け、きつい調練を繰り返して来たのにいざ始まったら何もできなかったと叫んでいた。
そこに松左、崇原、尾平らが酒を持って現れる。干斗は大怪我したり、死んだりした奴がいる中で飲む気分にはならないと言うが、松左はだからこそ飲むんだ、一生に一度の初陣の夜の酒だ、どんな味かしっかり味わっておけと言うと干斗らも酒を飲み始める。
干斗は崇原に助けてもらった礼を言う。崇原は礼を言うくらいなら、さっさと強くなれと返す。松左はそれを聞き、あまりいじめるなよ、崇原だって初陣では一人も斬れずに小便漏らして終わったじゃないかと言う。干斗が本当ですかと崇原に確認すると崇原は本当だと返す。それを聞き、干斗らは少し安心する。
そして、隊長も初陣は結構恥ずかしい感じだったのかと尋ねると信は初陣の蛇甘平原ではいきなり敵守備陣の突破口を開け、窮地に馬一人で敵の大軍に突っ込んだり、初めて見た装甲戦車をぶっ倒したり、朱鬼だか麻鬼だかの敵将軍の首まで取ってしまったりと大活躍だったんだと懐かしむ。松左は信は十近く下のアホなガキなんだが、とにかく戦場じゃ誰よりもカッコいいと呟く。
尾平は今回、信の初陣までとはいかないまでも大武功を挙げた仁と淡を一番に祝いに来たと二人を探す。特に仁は山の民が城壁を登っても下から撃ち続けて三つの矢の筒が空になるまで敵を射抜きつづけたのであった。しかし、淡は一本も当たらなく、途中で撃てなくなったのであった。
そして、仁と淡の姿を列尾城を落とした後誰も見ていなかった。

淡は宿舎に一人塞いでいた。戦が終わった後、お前は少し反省しろと仁に頰を叩かれていた。

仁は一人で城内のある場所にいた。そこに貂が現れる。貂が初陣でいきなり大役を任せたことを詫びる。仁はそれは嬉しかったが、いざ始まると全部のことが思ったのと全く違ったと感じたことを言う。貂はまだ仁の手が震えているのを見る。仁は今まで一番力んで撃ち続けたことと、人を初めて撃ったからと言う。貂はきっと後者だと言い、震えてこその飛信隊だと言い切る。その優しさと弱さはこれから強くなれる証だと断言する。飛信隊はみんな色んな壁にぶつかって乗り越えて成長してきており、貂自身も戦いを操作し、相手や味方を殺すのも怖かったと語る。慣れはあるけど、弱さがあるから本当の強さを知れる、この手の震えは決して恥じるものではないと手を添える。仁はすっと立ち上がり、少し肩が軽くなったと貂に感謝し、淡を探しにその場を離れる。 

貂は列尾城で気づいたことを王翦に報告しようと王翦本陣を訪れるが、そこでは大きな騒ぎが起きていた。楊端和もそこに現れる。楊端和は騒ぎの原因は王翦が突如いなくなったからだと貂に教える。





さすが王翦…動きが全く読めない。これはきっと李牧の罠に気づいて、それを打破するために行動に移したと思われます。もしくは逃げたか…絶対に勝つ戦以外興味ないですもんね…
しかし、貂も気づいた様子ですね。さすが天下の大将軍になる隊の軍師。頼り甲斐がありますね。