So-net無料ブログ作成
検索選択

第498話 大軍勢の緊張

静かに沸き起こる熱気と士気。今回の趙との大戦に向かう大軍が一堂に会していた。
干斗ら飛信隊新人はあまりの迫力に気圧されていたが、そこに楚水が現れ、練兵は十分にした、自信を持って胸を張れ、俺たちが飛信隊だとなと声をかけると、干斗は大声を上げ、気合を入れ直した。
松左や崇原は合従軍以来の大軍に本営の本気さを感じていたが、総大将が誰だか明かされていないことに不思議さを感じていた。渕さんは信に聞くものの、今日まで明かせないと言われていた。
崇原は総司令に呼び出されてから信と河了貂に力が入っており、情報漏れを恐れて大将の名すら隠すほど慎重であるということはそれだけ今回の戦が大事であると感じていた。

そこに昌平君が壇上に上がる。
昌平君はこれより全軍で趙西部へ攻め込む。この一戦からいよいよ宿敵趙国と真っ向から総力戦に入る。敵も必死だ、死に物狂いで反撃に出てくるだろう。だが、絶対に退くな、必ず勝利し、趙の地に秦の旗を掲げてこいと集まった大軍の士気をさらに高める。
昌平君はではこれより軍を率いる将軍を発表する、桓騎将軍と叫ぶ。その名を聞いた飛信隊には衝撃が走る。しかし、田有は黒羊を落とした大将で、西部攻略なら桓騎がそのまま大将を務めるのが自然だと口にする。
昌平君はそして軍を率いる将軍をもう一人発表すると言い、楊端和が壇上に上がる。そして、山の民が現れる。その仰々しい面持ちに新しい飛信隊員は味方かどうか怪しみ、言葉も通じないことから不安感が募り始めていた。しかし、信はバジオウとタジフの前に出て、また一緒に戦えて嬉しいと握手を交わす。
楊端和が出てきたことに桓騎軍が騒めき立つ。桓騎が総大将であると思っていたからである。昌平君は桓騎と楊端和はそれぞれの軍の大将であるが、全軍の総大将ではないと説明する。今回は大いなる戦いとなるため、三軍で打って出るとし、三つ目の軍の将であり、総大将は王翦であった。
今回の対趙の戦いは王翦、桓騎、楊端和の連合軍隊であった。




王翦、桓騎、楊端和、さらに飛信隊、楽華隊、玉鳳隊の三隊は相当物々しい雰囲気でしょう。
しかし、王翦、桓騎、楊端和は個性が強すぎて連携などあり得ないような気がしますが…王翦はまとめきれるのだろうか〜
作戦としては趙西部を王翦、桓騎、楊端和が攻めて、飛信隊、楽華隊、玉鳳隊がその間に鄴を取るというものになるのかな。

第497話 集結の本意

昌平君達は呼び寄せた信、貂、王賁、蒙恬に鄴攻めを告げる。場所がわからない信に蒙恬は趙王都邯鄲の近くだと教える。河了貂はいきなりの鄴攻めの真意を蒙毅に尋ねるが、河了貂を手で制しただけであった。
蒙毅は真剣な眼差しで盤面を見ていた蒙恬にどう思うか尋ねる。蒙恬は正気の沙汰ではないが面白いと感想を述べる。それは趙西部攻略の道は塞がってきているためであった。蒙恬はその危惧をしている頃にその打開策を咸陽で練られていたことに舌を巻く。
さらに蒙恬は鄴攻めの可否はともかく西部を囮とした鄴を落とし、邯鄲に大手をかける策は李牧をも欺く一手だと熱く気持ちが高まってきていた。
しかし、王賁は鄴自体が邯鄲に次ぐ大都市の上に強力な軍事都市がひしめく王都圏の中にあり、自殺行為だと否定する。
蒙毅は決して自殺行為にはさせなく、練った戦略を信じてほしいと説得する。
王賁はならば趙の目を西部に引きつけ鄴までうまく軍を進めたとして、そこで兵站を分断され退路も絶たれ、邯鄲や他の都市から大軍と鄴に挟み込まれる最悪事態への対処まで練られた作戦があるというのだなと詰め寄ると蒙毅は言葉を失った。王賁は戦略に自信がないから呼び戻したのだろうと吐き捨てる。
昌平君は三人を召喚したのは作戦に自信がないわけではなく、戦略上この三隊の働きが重要になってくるからだと口を開く。
鄴は趙王都邯鄲守備網の中にあり、どう侵入してきた軍を絡め取るかあらゆる仮想戦をやり、対策は練っているものの、相手は李牧であり、見えている戦力以外の隠し手があって然るべきてある、想定外の事態が必ずふりかかるため、現場での瞬間の的確な判断が必要であると語る。そして、その能力を高く養うために三隊は小隊の頃から独立遊軍という特別な権限を与えていたと話す。
自由判断は全体の戦略の意図を理解した上で動く必要があり、そのために咸陽まで呼び寄せたのであった。昌文君は三人はまだ五千人将ではあるが、他の将軍以上の働きを期待していると話す。しかし、介億は期待ではなく絶対条件だと言い切り、それがなくては確実に鄴攻めは失敗すると断言する。
そして、そこに政が現れ、一言付け足させてもらいたいと部屋に入る。王賁と蒙恬は即座に跪くが、政は二人に近づき、跪かず、立って顔を見て聞いてほしいと語る。鄴攻めはこれまでにない重大かつ過酷な戦いとなる、だがあえてこれは中華統一への難関への一つに過ぎなく、これからもさらに三人の力が必要となる、必ずこの戦で大功をあげ、三人揃って将軍へと昇格しろと熱く語る。
河了貂は三人の働きの重要性はわかるが、一番重要なのは総大将であり、総大将は誰なのかと問うと昌平君は総大将はと口を開く。






総大将はやはり本命は騰だと思います。理由としては騰だけが三人と一緒に戦ったことがあるのからです。これだけの苛烈な戦いでは一緒に戦った経験が必要であり、連携が重要だからです。
他の将軍はというと
蒙武…連携なんて関係ない
桓騎…信と喧嘩したばっかり
王翦…王賁と微妙だし、自ら死地には入らなそう
楊端和…言葉もあまり通じない山の民との連携はなかなか難しいでしょう
他の将軍…論外

実際に策を練った昌平君という選択肢もあるかと思いますが、現場経験もそれほどないでしょうし、何より不測の事態が起こった際に全体を見ている咸陽に昌平君がいなくては対処できなくなる可能性があるので、それはやっぱりないかなと思います。

第496話 激動の起こり

始皇十年、黒羊戦に勝利した秦国だが、国内に目を向けると、この年は前年の嫪毐反乱の衝撃から秦国が一歩前に進んだ年とも言える。呂不韋は嫪毐事件と関わり有りと裁かれ、脱官した。また雍に幽閉されていた太后が咸陽の甘泉宮に戻された。
冬は一転して静かに日々が過ぎ、灼熱の始皇十一年の幕があける。

昌平君、昌文君、介億、蒙毅の四人は情報漏れを防ぐために四人で鄴攻略を練っているものの、一つも突破口を見つけることができないでいた。合従軍に攻められた時はギリギリで戦略を立てられたものの、今回は十分に時間を費やしても、策が浮かんでこなかった。介億には鄴攻めは無謀すぎるかと諦めの心が芽生え始めていた。
そこに政が現れ、難解な戦いを挑もうとしているのは分かるが、攻略の策がしっかりと立たぬ限り、鄴攻めの号令はかからないと釘をさす。昌平君はわかっていますと返事をする。介億は蒙毅に一番の問題は何だと考えると問うと蒙毅は兵站であると答える。兵站は軍隊の進軍の道筋、また前線部隊への補給、増援などの道筋のことであった。蒙毅は前線より奥にある鄴まで兵站を繋ぐのにとにかく時間がかかってしまい、趙軍に鄴攻めがかなり手前で悟られ守備軍の動き出しが早まっていると考えを述べた。
昌平君はならば兵站をつなげぬ手で始めるとした。蒙毅は危険すぎると止めるものの、模擬戦でどのくらい危険か探るのだとし、誰にも見えておらぬ道を探すのだ、必ずどこかに答えに辿り着く道の入口があると断言する。

飛信隊では河了貂が年末に昌平君より早めに練兵を仕上げておけという伝令がきたが、その後に伝令が来ないことに疑問を感じていた。河了貂は年明け早々に飛信隊は前線に送られるものだと思っていたためである。
秦東部前線の先では蒙恬が李牧指示の築城の完成度の高さに驚いていた。無理にでも黒羊から討って出て趙の画策を妨害しなくては趙西部はとてつもない膠着状態に陥ると感じていた。そこに昌平君からの伝令が来て、蒙恬のみ咸陽に戻るよう指示が下りる。王賁にも同様の指令が来ていた。また、信と貂にも指令が下りる。
四人が咸陽に揃うとそこに昌平君と昌文君が現れる。




来週、四人に鄴攻略の作戦が発表されるのでしょう。李牧に鄴攻略を悟られないために将軍級を動かすのではなく、若き新星で形成するとは非常にワクワクしますね。しかし、総大将は誰になるのだろうか…ここはぜひ昌平君でお願いしたいところだが、咸陽を離れる訳にはいかないかな

第495話 相応の覚悟

大王が座する宮殿に鳴る鋭き足音。李斯は大王の前に現れ、元呂氏四柱が李斯参上しましたと挨拶をする。宮殿内は突然の出来事に驚き、連れてきた昌文君に文官達は詰め寄る。昌文君は独断で動いたものの、大王の了承は得ていると弁明する。文官達は李斯は呂氏の下で最も暗躍した男であり、大王陣営にも相当の犠牲が出ていることから、許すわけにはいかないと怒号が飛ぶが、李斯は中華統一の話を聞き、統一後に制定される法に着手できるのは中華の中でも李斯か韓非子くらいだと言い放つ。
政は立ち上がり、皆の気持ちは良くわかる、だが統一後の法は統一行為そのものの意義を形として全中華の民に示すものであり、それ程重大な法作りの前にかつての因縁は微々たるものである、政争での恨みを抱いたのはお互い様で、その時期は過ぎた、誠に秦一丸となって立ち向かわなければ中華統一の宿願は形も残らず崩れ去ると力強く説き伏せると、文官達は政の言葉に呼応する。介億は政の判断を英断であり、李斯の力はこれからの秦に必ず必要になると発言する。介億は昌文君によくぞ動いてくれた、同じ呂氏陣営にいた昌平君が李斯を推すと疑心を抱かれるため、何も出来なかったと背景を語る。昌文君は蔡沢の導きだと返した。
李斯は自分の話はこのくらいで、昌平君が珍しく重い問題を抱えている顔をしていると指摘する。昌平君は政に人払いをお願いし、二人きりで相談したいと依頼する。

政と昌平君が二人きりになる。
二人の前には地図が置かれていた。
政は昌平君に他に聞かせられぬ問題とは何だと尋ねると昌平君は来年趙向けて大軍を発するが、李牧が陣頭指揮を執りだした趙西部からの攻略の糸口が全く見えないと状況を語る。
黒羊がその攻略の楔になるはずであったが、李牧は趙西部の広範囲で突然複数の城を築き始め、秦軍の侵攻に備え、何もないところに守りの拠点を出現させ、より複雑な防衛網を築こうとしていた。着工は前線に近い側から進められているが、後方も基礎作りははじまっていた。それは前線守備の戦いをしながら後方に防衛線を作り続けていく戦略だと語る。急造した防衛線の一つ一つは決して強固ではないと予測されるが、秦軍としては次々と生まれる防衛線に対して武力突破を繰り返さねばならなく、長期戦に持ち込まれると話す。政は何年かと聞くと昌平君は十年と返す。
昌平君は李牧も統一戦争は短期間でなければ秦の体力は持たないと気付き、あえて西部の戦いが長引くよう戦略を描いたと推測していた。相手はあの李牧であり、西の攻略は最短で十年、そこからの邯鄲攻めに数年必要となり、正攻法では十五年かけても趙国を滅せるかどうかとなり、六国制覇の夢は露と消えると言い切る。
政はバカなと落胆し、玉座に座り込む。しかし、昌平君の正攻法ではという言葉から、正攻法以外の手があるのかと昌平君に尋ねる。
昌平君は多くの犠牲が伴う奇策中の奇策が一つだけあると言う。政が尋ねると昌平君は語りだす。
趙王都邯鄲は西は太行山脈という自然の盾に守られ、南は第二の大都市鄴が黄河の岸を守るという鉄壁の囲いの中にあり、李牧は今、太行山脈より先にある趙西部の防衛に力を入れている、それは山脈が最後の砦でそこまで敵を近づけたくないからである。しかし、力を入れているということは気を取られているということでもあり、西部攻略を囮にして、南を駆け抜け、一気に邯鄲の喉元である鄴を攻め落とすとした。
鄴と邯鄲は目と鼻の先であり、策として下の下ではあるが、それほどまででなくては李牧は出し抜けないと言う。しかし、鄴を落とすことができればそこから三年で邯鄲を落とし、趙を滅ぼすことができると断言する。政は言葉を失う。昌平君は攻め入る軍は趙軍の包囲攻撃を受けるため、最悪は全滅する可能性もあるとした。




まずは昌平君の練りに練った策の弱点を突き、すぐさま行動に移した李牧はさすがというべきだと思います。それにより、昌平君は危険性の高い奇策を取らざるを得なくなってしまった。もしかしたら李牧は政と昌平君と対談し、その熱い中華への想いから、この奇策まで推測しているかもしれないし、誘い込みをしているとも考えられます。
しかし、これをやらなければ中華統一は不可能なんだよな〜圧倒的不利に加え、相手は中華最強の李牧、、、、
この布陣に戦いを挑むとしたら、やっぱり騰を総大将として、副将を蒙武かな…でもこれだと王騎をとられた戦いと同じで、今回はさらに劣勢となるから、何かダメそう…
王翦はこんな負けが確定に近い戦いで、全滅覚悟ではまともに相手と組み合わなさそうだし、、、
んー難しい…
また楊端和にお願いするか、、、