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第447話 総大将動く

羌瘣の目に映ったのは黒羊の中にある集落であった。そこでは男は田畑を耕し、子供達は遊びながら駆け回っていた。その姿はまさにここが戦場となることを何も知らないかのようであった。羌瘣は黒羊に着いてすぐ見た微かな煙が集落の生活の火の煙であり、それが複数あることを認識する。
羌瘣の部下は厳しい言い方であるが、これは集落の問題であり、今の羌瘣達には関係ないため、先を急ぐように進言するが、羌瘣は関係ないわけはなく、信の本隊に集落の存在を知らせるよう指示すると共に自ら警告しに集落に向かった。

羌瘣達が集落を発見したのは飛信隊が奪われたと思った丘に登った頃であり、程なくして雷土側の戦場も動き出していた。
そこには尾平が行軍に参加していた。その行軍はかなり急いで進んでいた。それは雷土軍が先行して、中央丘より奥に前線を作るためであり、尾平は雷土軍の二列目に配置されていると桓騎軍の巴印から説明を受ける。
尾平はそれを聞くと雷土から恐怖を感じると口にする。巴印は桓騎軍はもともと別の野盗団であり、それを桓騎が一つ一つ潰し、説得することで傘下に取り込んだという経緯を話す。その中に本当に危険な部隊は二つあり、一つはゼノウ一家であった。ゼノウ一家は戦闘狂いの連中で死地に喜々として、突っ込んでいく。特に長のゼノウは手づかみで大牛の首を捻じ切る怪力を持つ大男であり、その体躯は蒙武を上回るものであった。そのゼノウ一家の問題点は獣みたいに常に殺気立っており、気に食わないと味方だろうと殺してしまうことであった。そのため、尾平達の左を進行しているゼノウ一家には近づかないように忠告される。もう一つは灰面集団の砂鬼一家であり、一番残忍な集団であった。生きた人間の尻から口に木を刺して喜んでいる集団であり、中華一の不幸は砂鬼に捕まることと言われるほどであった。砂鬼一家は尾平の後ろを走ってきており、後方も注意が必要な状況となっていた。
そこに突然騎馬に乗った桓騎が現れる。そして、左を進むゼノウ一家の方に向かう。

趙軍本隊は中央の丘の麓まで来ていた。慶舎は先に占拠すべく、進軍する。
一方、桓騎はゼノウのところまで到着し、ゼノウにお前の力で盤上を叩き壊してこいと言う。



ゼノウさん、怖いですね…
その部下の首を簡単にはねている桓騎も桓騎ですが…
趙軍の本陣が中央の丘の麓まで到着したということは雷土は前線を作ろうとした場所には到達できなかったということを意味すると思います。右も左も趙軍に後塵を喫している状況であり、かなり苦しい戦いになりそうですね…
ゼノウさんでどこまで逆転できるかわかりませんが、盤上を叩き壊すまではいかないでしょう。
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第446話 意表をつく策

広大なる戦場に上がる異変の煙。それを見た桓騎は飛信隊が趙軍に丘を獲られたことを認識する。
信は馬呈と激しい打ち合いを繰り広げていた。馬呈の重い一振りに信は矛で受け止めるものの、乗っていた馬の骨が折れる。馬呈は信が二度も戦斧を受け止めたことに驚く。そこに楚水の部隊が現れる。馬呈はそれを見て、次は大軍で来るから楽しみにしてろと言い残し、その場を去った。

慶舎と紀彗は丘に上がった狼煙を見て、作戦がうまくいったことを認識する。慶舎はいきなり側近二人を使うとは大胆だなと言うが、紀彗は黒羊では強引にも先に戦の主導権を手にすることが重要と意見し、二人の力を信頼しているから成り立った作戦であるとした。

貂は飛信隊だけで丘攻めをしようとする。高低差があるため、斜面を登る最中に上から矢と石を受ける羽目になるのと敵兵の数がわからないことから不安が走る。しかし、貂は丘を占拠しているのは小隊であることは間違いないと話す。それは飛信隊が把握していない支流を使って奥深くまで来ているため、大軍の移動は無理であるためであった。貂は敵兵が小隊であるならば丘の利があろうとも飛信隊だけで戦えると考えた。我呂は無傷にはいかないというが、貂は今やらないと馬呈や他の隊が丘に集結し、砦と化し、攻略には大軍を要する戦いになるためと判断する。
丘をとる作戦としては単純なものであり、正面を田有が盾をもって、音を上げながら、派手に攻め上がり、その間に信達の身軽な舞台が敵に気づかれないよう裏から駆け上がるものであった。信達は裏の見張りが二十人くらいであり、襲いかかっても気づかれないと判断し、一気に攻め襲うが、それは人型の人形であった。正面の田有隊に対しても、石や矢の攻撃は全くなかった。丘自体に趙軍はいなかったのである。
馬呈と劉冬の目的は丘をとることでなく、飛信隊の足止めであったのだ。これにより、飛信隊が攻略すべき右翼は中央より手前側に前線を作らざるを得ない状況となった。



馬呈と劉冬の活躍により、趙軍は優位な展開となりました。丘を獲ることではなく、飛信隊の足止めの作戦であったというのは非常に面白いと感じました。
不利な展開となったものの、まだ雷土側がうまくいけば、致命的ということにはなっていないと思うので、これからの展開が楽しみです。
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第445話 翻弄の末に

時が要の戦の中、不慣れな地形に手足を阻まれる飛信隊。そこは自然の罠が多数存在しており、木々や沼などに足を取られていた。足取りを急ぐ貂に我呂は飛ばし過ぎであり、隊が一列に間延びしていると忠告する。貂は敵と遭遇するのは先であり、羌瘣の斥候部隊も先陣を切っているので、問題ないとし、さらに今回は中央の丘が今回の戦いの勝敗を決めるため、それを無血で手に入れられるかは飛信隊にかかってるとして、先を急いだ。
そして、飛信隊は秦軍側にある一つ目の丘を見つける。貂は後から来る桓騎軍右翼が占拠するため、ここは素通りするとした。
その時、信は繁みにかすかな気配を感じる。信はその繁みを凝視する。そして、敵襲だと叫ぶ。繁みの中から近距離で矢を放たれ、飛信隊は混乱する。
貂は左の繁みに矢を射るように指示し、盾隊を前に来させる。信はなぜこんな秦側に伏兵があるのかと聞くと貂は斥候隊が仕掛けて来ていると思うと答えた。信は盾隊が来たと同時に返り討ちにするため、繁みの中の弓隊を叩こうとするが、それは罠であり、盾隊の背後に槍兵が現れ、突かれる。
貂はただの斥候ではなく、相当戦術が練り込まれていると感じた。貂は一時退却をしようとするが、そこに敵の騎馬隊が現れる。そこには馬呈がおり、渾身の一振りを信に浴びせた。信はそれを矛で受け止めるが、その衝撃は全身を走っていた。
飛信隊は一時後退しようとするが、信は退がるなと叫ぶ。今背を見せるのは危険であり、少し粘れば楚水の騎馬隊が来るため、信はそれまで耐えろと言う。
馬呈は立て直す余裕はあるのかと言い、紀彗将軍が出陣前に黒羊では相手を翻弄した方が勝ちだと言っていたことを話す。
馬呈の言葉を聞いた後、信と貂は秦側の丘が劉冬に取られたことを目の当たりにする。




趙軍は順当に手前から丘を取りに行くのではなく、一番初めに相手側の丘を獲りにいく奇策に出たと思います。これは秦軍が手前を素通りすることを見越しての作戦だと思います。下手をすれば雷土側も同様の作戦で丘を取られている可能性がありますね。
その場合は秦側は中央の丘しか取れなくなり、孤立する可能性がある。慶舎としては周りの4つを全て奪取したのちに中央の丘を刈り取るという作戦かと思います。
開戦早々、秦軍ピンチですね…
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第444話 城無き占領

信達の眼前には見渡す限りの密林が広がっていた。羌瘣は密林の中では作戦が立てにくいため、迂回すべきと意見するが、貂はここが今回の戦場の黒羊だと話す。そこに桓騎からの召集がかかる。
信は貂と羌瘣を連れて、桓騎の幕に訪れる。そこで、桓騎の側近である摩論から作戦の詳細が説明される。黒羊は広大な樹海であり、落とすべき城はないと説明する。貂は代わりに五つの丘があると呟き、摩論はその通りと言い、五つの丘全てを占拠すれば我々の勝ちだと語る。摩論はこの樹海に道を作るべく、二つの矢を放つとし、左は雷土、右は飛信隊が担当することとなった。散らしている哨兵によれば慶舎軍も黒羊の反対の淵に着いたようであり、二隊はいち早く樹海を進軍し、できるだけ奥深く敵と交戦することで、序盤から労せずに三つの丘を手に入れるとした。貂はそれを聞き、直ぐに出発しようとする。
桓騎は信に重要な役目の片方を与えてやったから、しっかり期待に応えろよと言う。信は安心して飛信隊の後ろを進めばいいと言い、慶舎の首は俺が取ると宣言する。

飛信隊は進軍を進める。貂は羌瘣に斥候を依頼する。羌瘣は似たところで育っており、問題ないと言うが、ここはきっと丘の取り合いだけの単純な地ではないと言い残し、先を急いだ。

馬呈は舟を使い、敵陣左奥の丘近くに辿り着く。そこに物見から飛信隊が直進してくるとの報告が入る。そこで、馬呈は劉冬と上陸し、飛信隊を急襲する準備に入った。




早速飛信隊はピンチとなりましたね…馬呈、劉冬の実力は不明ですが、不意を突かれれば誰でも弱いところがあるので、壊滅的な被害とならなければいいですが…
しかし、羌瘣の言った一言は気になりますね
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