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第436話 最後の懇願

反乱首謀者の嫪毐の刑が決定する中、必死に罪を庇う太后であるが、その処罰は彼らの二人の子にも及ぼうとしていた。
太后は政に目を閉じたまま、土下座をしていた。それを場にいた全員が固唾を飲んで見守っていた。そして、太后は土下座のまま語り始める。最愛の男に出世の道具のために捨てられ、人生の転落が始まった…好きでもない男にあてがわれ、その男にも置き去りにされ、悪意の只中で生きるはめになった、子供だった政もあの邯鄲での生活は忌まわしき記憶として残っているだろう、だが、大人だった私にはもっと過酷で惨めな日々だったと悔しむ。数年経ち、私を置き去りにして秦へ逃げ戻った男が太子になり、私も咸陽へ連れて来られ、后となったが、救われたと思ったことは一度もない、もはや何をしても灰色の無味無臭の世界にずっといたと語る。しかし、そこで嫪毐と出会い、その子を授かり何かが変わった、二十年以上乾ききった土地に水が注がれ染み込んでくるような心地がした、その水を注いでくれたのは嫪毐であった…嫪毐が助からないのは私でもわかる、私も助からなくていい、だがどうか二人の子の命だけは助けてくれ、母から政への最初で最後の頼みだと大粒の涙を流し懇願する。
一堂は政に注目し、その反応を待った。政は口を開く。残念ですが、それでも救えません、理由は先程も言った通りこの国に反乱の芽を残してはならないからですと返す。
それを聞いた太后は小刀を取り出し、政に襲いかかろうとする。しかし、それも衛兵にとり押さえられる。太后は政に対し、殺してやる、てめぇなんて産むんじゃなかった、てめぇを身篭った時に腹を打ちつけて叩き殺しときゃよかったんだと暴言を吐く。
そこに向が、太后様と叫ぶ。向はどうしてそんなひどいことを仰られるのですか、大王様だってあなた様の偽りなき大切な御子ではありませんかと泣きながら訴えた。さらにそんなに命懸けで二人のお子を助けようとしている熱意を愛情をどうして政様に向けることができなかったのですか、どんなにつらい世界であっても大王様にとっては太后様がたった一人の母親だったんですよと続けた。それを政は黙って聞いていた。
嫪毐はもう諦めましょう、決起した日の夜にこうなる覚悟も二人でしたではありませんか、もう二度とあなた様が涙を流されぬように精一杯頑張ったのですが、力不足でした、子供のことは残念ですが、向こうで私が面倒を見るので大丈夫です、太后様、私はあなた様とお会いできて人生に大いに意味を持ちましたよ、本当に幸せでしたと言い残し、処刑の場に自ら足を進める。


やはり太后の訴えも聞き入られなかったですね。歴史にたらればはありませんが、嫪毐と太后の子供の命を守るのは本当に国を興すことであったのか非常に疑問を感じます。太后ほどの頭脳と財力を持っていれば、他の選択肢もあったのではないかと思います。
しかし、太后の政への言葉は酷いですね、母親にそんなことを言われたら、何も言い返せないですよね、向ちゃんに救われた感じですね。

第435話 内乱の終着点

秦国の内乱は大王側が勝利を収め、呂不韋は完敗を宣言する。反乱の傷痕も癒えぬまま、謀反の処罰の刻が迫る。
毐国敗戦の報せが媧燐の元に届く。媧燐は秦と楚の国境の玄斗の地で蒙武と戦いを繰り広げていた。媧燐はこれから蒙武との本格的な戦いを繰り広げようとしていたが、毐国敗戦により、退却を始める。
それを見た蒙恬と王賁は裏で毐国と楚が繋がっていたことに確信を抱く。録嗚未は国と呼ぶにもあやしい毐国如きの反乱を助けるために楚軍が動いたのかと疑問を挟むが、蒙恬はそれ程大事であり、呂不韋が蒙恬達が知らないとこで秦国をひっくり返そうとしていたかもしれないと推測した。さらにそれが敗れたため、秦国はこれから新しい時代に突入すると語った。

咸陽では大勢の人民の前で嫪毐は後ろ手に縛られ、晒されていた。
嫪毐は咸陽に連行された後、これまでの経緯を洗いざらい口にした。その中で自分が呂不韋の手引きで偽宦官として後宮に入ったことも自供していた。しかし、一つだけ嫪毐は事実を捻じ曲げた部分があった。それは自分が王の玉璽の複製と太后の玉璽を盗み、軍を興して反乱に到ったとしたところである。太后は反乱について一切関わっておらず、全て己の独断であったと必死に自供したのだ。そうしてこれから嫪毐は秦国の法律で最も重い犯罪を犯した者に課せられる「車裂き」の刑に処されるのである。
そこに太后が現れる。そして、茶番はやめろと叫ぶ。太后はその男は何の才覚もなく、野心も持たぬ取るに足らぬただの小男だと言い、その男は此度の反乱を起こせるわけがないのは全員分かっていることであり、全て太后自身が仕組んだことであり、嫪毐を車裂きにするのなら、その前にこの太后を車にかけろと命令し、やってみろ政と政を睨みつけ、力の限り叫ぶ。太后の発言に場は静まり返り、一堂が政の回答に注目していた。政はできませんと答える。それは反乱首謀者として断罪されているのは嫪毐であり、太后ではないからだと理由を話す。
太后は政の返答を聞き、絶望する。そして、太后と嫪毐の間に生まれた二人の子の命も奪われるのかと力なく尋ねる。政は二度と反乱が起きないよう国家の禍いとなる火種は完全に消しておかねばなりませんと返す。
それを聞いた太后はその場に跪き、政に向かって土下座をする。
それを呂不韋は遠くから眺めていた。


嫪毐がまさに目の前で処刑されそうになった時に太后の感情が出ましたね。太后の土下座がどれだけ効果があるかはわかりませんが、やはり政は二人の兄弟も処刑するのではないかと思います。政の言っていることは正しく、生かしておけば父親を殺された恨みが残り、将来秦国転覆を画策する可能性があるからです。
しかし、呂不韋はなぜあんなところから眺められるのであろうか。呂不韋も当然断罪されるはずなのに…

ところで車裂きって、ちょっと想像してみましたが、すごくコワイですね…


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第434話 敗北の巨星

秦国の将来を賭けた咸陽の攻防戦は大王政に軍配が上がる。咸陽の報を待つ雍は緊張に包まれていた。
そこに咸陽から呂不韋陣営の伝令が現れる。伝令は咸陽の戦いに決着がついたので報告すると発言する。そこに居た政、瑠衣、呂不韋、李斯、蔡沢、太后の六人全員口を開かず、伝令の次の言葉を待った。
伝令は毐国軍の反乱は失敗、咸陽は落ちず反乱軍は敗れ北道を敗走中と声を響き渡らせた。その言葉に一堂は言葉を失った。呂不韋は間違いないかと問うと伝令は間違いありませんと悔しさを噛みしめながら返した。
そこに大王陣営の伝令も現れる。政は勝報は聞いた、咸陽の様子はと即座に尋ねる。伝令は反乱軍は咸陽内にまで侵入、城内の民、家屋にも相当な被害が出た模様で、さらに敵は後宮にまで侵入したものの、御子様方の扶蘇様、麗様並びに后の方々も皆様全員無事と報告をした。
太后は大王陣営の伝令の胸倉を掴み、嫪毐はどうなったと問い質した。伝令は反乱首謀者嫪毐は討ち取られた報告はなく、恐らく反乱軍と共に北道を敗走していると推測されますと話す。太后はその言葉に絶望し、その場に座り込んだ。
呂不韋が口を開く。政に対し、よもやそちらが表に出るとはとつぶやき、大王、結果はともかくようやく決着がつきましたなと言うと政はああそうだなと返す。呂不韋はそうかこの儂が負けたのかと初めて負けたことを認識し、正に完敗だとつぶやいた。

後日敗走した反乱軍は函谷関を抜けた所で桓騎軍とぶつかり、散々に粉砕されたのであった。
そして生け捕られた嫪毐は咸陽へと送られ、そこで太后と再会するのであった。


呂不韋が潔く、負けを受け入れたところが印象的でした。来週は嫪毐が太后の前で政に裁かれるところになると思いますが、どういう展開になるか気になりますね。当然死罪は免れないだろうが…

第433話 謀略の崩壊

反乱軍の瓦解を目にし、安堵の渦が咸陽に広がっていた。河了貂は尚鹿に作った壁をすぐに解くように伝令を走らせることを依頼する。それは昌平君が戎翟公の首を取ったとはいえ、兵数は依然として、反乱軍の方が圧倒的に多く、今この時の最重要使命は咸陽を反乱軍の魔の手から救うことであった。故に貂は包囲の壁を解き、混乱の中にある反乱軍がそのまま敗走するよう促したのである。それを見た介億は貂の成長を感じたと共に、蒙武軍や桓騎軍が来るなどデマを流させ、反乱軍が敗走するよう促したのである。
樊於期軍、戎翟軍、そして強制徴兵された烏合の衆であるため、一つ敗走の流れができるとたちまち大きな濁流となり、全軍敗走の形となった。それを見た嫪毐は咸陽を落として雍へ迎えに行くという太后との約束が果たせなかったことを涙を流しながら、叫んで詫びた。
樊於期は外の様子から、自らも咸陽から脱出するように動いた。
信は昌文君のところまで駆けつけ、政の加冠の儀が無事執り行われたか確認する。それには昌平君が最後まで正式に執り行われたと答える。そして、今回の反乱の罪は呂不韋まで追求され、呂不韋は失墜すると語った。
信は昌平君に対し、なぜ呂不韋を裏切ったのかと問うと昌平君は自身も中華統一を夢に描く男の一人と言い、さらに政はその夢を預けるに足る器の王だからと話す。信は今回昌平君に助けられたことに感謝し、逃げた反乱軍はどうするかと問うと介億が趙前線の桓騎軍を呼び戻しているため、函谷関あたりで交戦となり、討ち取るであろうと返す。
それを聞いた信は昌文君に対し、政の加冠の儀と呂不韋の失墜の意味を昌文君の口から聞きたいと言う。昌文君は政が即位してから九年に及ぶ呂不韋との長き戦いにおける大王様の完全勝利だと涙を流しながら喜んだ。


ついに政と呂不韋の戦いに決着が!今まで何度も危ないところがありましたが、信や昌文君に助けられ、首の皮一枚でここまで来たと思います。
これからは秦一丸となり、中華統一に向け、突き進むと思います。