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第514話 愚策の極み

秦連合軍と同時期に趙へ侵攻していた燕軍。戦況を見つめるオルドは次々と燕兵をなぎ倒す司馬尚軍を視界に捉えていた。オルドは燕国境側に大虎が眠っているなら、先に言え李牧と毒づきながら、面白いと前に出ようとする。
しかし、そこに急報が入る。趙の東本軍が東に進み、燕領土に侵攻し、現在貍城を攻撃中というものであった。さらに急報が入り、貍城はすでに陥落し、趙軍はそのまま陽城に攻め込んだため、陽城から援軍要請が来ていた。趙は燕軍の退路を断つ気であった。
オルドはこの策は李牧が予め用意していた戦略であると断定する。しかし、その策は司馬尚軍五千でオルド本軍二万を食い止めるということが前提であり、気に食わぬと怒りを露わにする。オルドは自分の落ち度とし、陽と貍を奪還しに行くぞと号令をかけ、全軍退却する。
それを見た司馬尚は青歌に戻る。

乱城に到着した李牧は燕軍退却の報せを聞く。舜水樹はようやく秦軍だけに集中できると呟く。李牧は列尾を越えた秦軍はどこまで鄴に近づいたかと尋ねると乱城の文官は鳥達の報告では信じ難いことに秦軍は鄴に向かわずに途中の小城吾多に攻め入ったと報告する。
その言葉に李牧は衝撃を覚える。

信は時間がない状況下でわざわざ小さい城に寄り道して、普通に攻め落として何がしたいんだと焦っていた。中に入ると桓騎軍が民家の略奪をしていた。信はそれを見て、怒り阻止しようとするが、蒙恬は今回ばかりは桓騎軍の鼻が役に立っていると信を制する。摩論は城主の屋敷の地下、城外の地下に食糧庫を発見し、民家の隠し食含めて一粒残らず手に入れたと桓騎に報告する。桓騎はそれを王翦に言う。摩論は本当はしらみつぶしに探さなくても砂鬼の公開拷問をすれば一発なんだけど、王翦が民を傷つけた者は斬首に処すと厳命を出したため、大変であったと不満を口にする。

信は蒙恬から民を殺さずに食糧を奪っていることを蒙恬から聞く。河了貂は確かに兵糧の足しにはなるが、二十万いる軍からすれば微々たるものであり、吾多を落としに来たことで半日分の兵糧を使ったし、王都圏を守る趙軍にも同じく半日もの刻を与えてしまった、本当に兵糧を増やすために来たのであれば最低の愚策の極みだと吐き捨てる。
蒙恬は河了貂の意見に賛同するが、王翦がなぜ厳命まで出してこの都市の民を守ったのか疑問を感じていた。

吾多の民は広場に集められていた。王翦はその前に立ち、語り始める。怯えることはない、民間人であるお前達を傷つけることはこの軍の総大将王翦が一切許さぬ、だがこれは戦だ、心苦しいが我々はそなたらから食糧を奪うと共にこの城も取り上げねばならない、食糧のないそなたらには体力の尽きる前に何とかして隣の城まで移動してもらわねばならない、許せと話す。吾多の民は滅相も無い、命を助けてもらっただけでもありがたいと感謝する。王翦はならばすぐに発て、皆の道中の無事を祈ると言う。民はすぐに城外に出た。そこには解放された兵も混じっていた。
それを見た河了貂、蒙恬、王賁、桓騎は王翦の狙いは兵糧ではなく、外に出された民間人達だと理解するが、それが一体何なのかわからないでいた。
王翦は要領は得たか、次の城に行くぞと号令をかける。





王翦は衛星都市全てに同様のことをして、鄴の周りを大量の難民で溢れ返させ、受け入れざるを得ない状況にするのか。そこに兵を紛れ込ませて受け入れと同時に侵入し、中から門を開けるという作戦になるのか。
しかし、鄴が民間人の受入を拒絶したらこの策は敢え無く失敗に終わると思います。鄴に李牧がいなくとも鳥を飛ばして、絶対に民間人を受け入れるなという指示を出せばそれで終わりかと。
ここで、ポイントとなるのは王翦の民への対応になると思います。鄴に辿り着いた民間人達は鄴の門が開かないことに怒りを覚えることでしょう。「敵の王翦は寛大な対応をしてくれたのに味方に見捨てられる」と非難し、罵倒を浴びせ、下手をすれば門をこじ開けようとしたり、王翦軍が裏から手を回し、ハシゴで壁を登らせようともするかもしれないですね。さすがに自国の民間人は斬り捨てることはできなく、雪崩のように鄴入り込み、いつの間か秦軍の侵入を許してしまうということになるかと…
しかし、李牧なら自国の民間人を斬り捨てても、鄴に受け入れるなと厳命しそうだが…まだまだ王翦の策には続きがありそうですね

第513話 中華の予測

秦連合軍が列尾を抜けた一報は瞬く間に列国中に広まった。
媧燐は秦は本気で趙を滅ぼす気であると認識する。媧燐は李園に趙が落ちるのかと尋ねられると落ちないと断言する。李園は秦が失敗するのかと聞くと媧燐は趙王都圏は圧倒的に守りやすく、中に入られても、山脈と大河で狭められた出入口を奪い返し、封をすれば敵は勝手に中で窒息するだけだと切り捨てる。

呉鳳明も秦が敗れると考えていた。そこで凱孟軍を前線まで呼び寄せることにした。趙で王翦らの連合軍が消滅したと同時に眼前の騰軍を撃破して秦国に雪崩れ込むとした。
一方、媧燐は魏が先に動き、その対応に蒙武軍の力が割かれたところを見計らって、楚軍は一気に北上して咸陽まで叩き潰す予定とした。媧燐は秦を手に入れれば中華は楚のものだと高笑いする。

河了貂は進軍中、思考を巡らすが、嫌な予感しかしていなかった。この進軍は兵站の要を捨てた作戦であり、蒙恬も一番とってはいけない作戦だとはっきり言う。しかし、王賁は総大将の決定であり、自分達は持ち場で命を賭けるだけだと断言する。

桓騎は今度の作戦の勝ち方は想定できなかったものの、王翦とは白老の下で副将をやってきた付き合いで、桓騎の知る限りでは負ける戦は絶対しないと感じでいた。

友軍、敵軍はたまた列国の目が注目する中、王翦による鄴攻略の第一手は楊端和の山の民軍五万の分離であった。山の民軍は王翦軍、桓騎軍と分離し、陽土に前線を張る公孫龍軍九万に戦いを挑みに行ったのである。
河了貂は楊端和が北東の敵の動きを封じれば本軍は横腹や背後を討たれる心配をせずに鄴まで全力で走れると信に説明する。
大将王翦を先頭に鄴に向け本軍の足がいよいよ速まってきたまさにその時、王翦は突然奇怪な行動に出る。それは本軍十五万の進路を大きく北へ曲げ、鄴とは無関係な小都市吾多に襲いかかったのであった。




やはりこの一戦は秦の中華統一への大きな一歩になるか、滅亡への道になるかのどちらかになりますね。しかも相手は李牧。厳しい戦いになることは間違いないでしょう。
しかし、桓騎が王翦は負ける戦は絶対しないという言葉は心強いですね。桓騎ほどの知将に存在を認めさせるとは、やはりその実力は本物でしょうし、この作戦は勝利に向かっていると思います。

今後、連合軍は鄴の衛星都市を次々と落としていくような気がします。そこで兵糧を補充するとともに、鄴を孤立させ、包囲し、攻めるのかな…???
でもそんなのでは河了貂と一緒で悪い予感しかしない…

第512話 鄴の正体

秦連合軍が列尾を落として二日、つまり王翦が列尾城から突如姿を消して二日後にようやく王翦は目的とする趙国第二都市鄴をその肉眼で捉えた。
亜光は聞いていたものとだいぶ様子が違うという印象があり、近年李牧が大改修を行なったという噂は本当のようだと確信する。亜光は愚将には尋常ならざる城に見えますが、王翦様はどのように見えますかと尋ねると王翦は完璧な城だ、あの城は攻め落とせぬと発言する。
王翦は亜光に王都全域の地図を出させる。鄴までの間に存在する城は八つで正確かと聞くと亜光は斥候の話では紀音の北西にもう一つ小都市があるという報告があると話す。王翦は北西に何里だと確認すると二十里ほどと返す。王翦は地図を見ながらその場で軍略を練っていた。部下達は趙王都圏の深部であり、敵に見つかれば一溜まりもない場所で戦略を練り始めたことに不安を抱いていた。
そこに突然趙兵が現れ、どの所属だと詰問する、亜光は一振りで趙兵を蹴散らす。王翦は亜光に敵数を確認すると亜光はこちらの倍ほどかとと返す。王翦は良いかとさらに聞くと亜光は心ゆくまでと返す。王翦はその場で腕を組み、座って戦略を練り始める。

そしてそこから二日後列尾に戻った王翦は連合軍の将校たちに号令を下した。王翦は桓騎、楊端和、信達の前で語り始める。すでに気付いた者もいるかも知れぬが、昌平君の授けた鄴攻略の策はこの列尾で潰えた。よって、この連合軍は私の策をもって列尾を越える。ここからはこの王翦と李牧の知略の戦いだ、全ての兵糧を持ち、全軍で出陣、鄴を奪うぞと断言する。

秦連合軍は国門列尾を越えて、趙王都圏へ全軍進撃開始する。

太行山脈山道にある小城の切城、そこは北西からの王都圏入口アツヨまで二日の場所であったが、そこに鳥の急報が入る。
李牧は王翦が王都圏に入ってきたことに驚く。脱出口のない包囲戦の先に勝機を見出したというのであれば、それは完全な読み違いだと考えていた。李牧は騒つく一堂に静かにと制する。そして、聞いての通り秦軍が列尾を越えたことで、これから趙秦両国の命運を占う戦いへと突入すると語り始める。李牧は秦軍の狙いは鄴であり、もし鄴を落とされることがあれば王都邯鄲の喉元まで秦の刃が迫ることになり、趙王国が滅亡する危機へ瀕すると講じる。しかし、逆に秦連合軍を殲滅すれば秦は二十万という大軍と大将軍級の王翦、桓騎、楊端和、その下に連なる有能な武将達を一気に失うことになるのであり、秦王の中華統一という野望が潰えることに直結すると豪語する。李牧は結末は間違いなく後者だと断言した。
そして、南下中の扈輒将軍に列尾攻めの指示を出し、包囲戦に入ろうとする。




李牧と王翦の知恵比べ、互いに実力的には申し分ない者同士の戦いはどうなっていくか非常に楽しみであります。
李牧は王翦に手はないと高を括っているようですが、それを含めて戦略を練っているので、決して負ける前提ではないとは思います。それとも李牧としてはまだ隠している策があるのか…
しかし、王翦が完璧だと評した鄴をどうやって奪うのか…その作戦気になりますね

今回も名シーンがありましたね。
王翦と亜光のやりとり。
王翦の良いかという問いに心ゆくまでと亜光が返すところは心打たれました。互いに信頼しているのだなぁと感じましたね。

第511話 列尾の罠

火急の如く夜通し駆け、王都へと突き進む李牧。そこに伝令が現れ、列尾陥落の報が入る。さらに、公孫龍は後退し、陽土に布陣したという報告に一同は戸惑いが走る。しかし、李牧は自分の指示通りであり、列尾には自らが施した秘密があると話す。しかし、その罠に王翦は気付くだろうと考え、そのため秦軍はそこから一歩も動けなくなると断言する。舜水樹は李牧が王翦の立場であればどうするかと尋ねると李牧は多少危険を冒してもあれを見にいくと語る。

列尾城では貂が王翦のいなくなった本陣に何か伝言はないのかと聞くと共に消えた第一大隊長の亜光から、全軍列尾に三日待機と言われていると話す。貂は三日も費やしたらせっかく李牧を先行した意味がなくなると怒鳴るが、楊端和は冷静に本当に伝言はそれだけか、列尾城について何か言っていなかったかと確認する。
桓騎の陣では王翦がいなくなったという情報が入る。桓騎は城がやべーからだろと一人呟く。

王翦が姿を消して二日、秦軍は列尾から一歩も動けずにいた。無論王翦の失踪の件は上層部だけの秘密であり、兵は次の進軍のための休養と信じていた。

楊端和、信、王賁、蒙恬が一堂に会し、そこに桓騎が現れる。それで蒙恬は列尾城は意図的に弱く作られていると発言する。蒙恬は城内に入り、二日見回って微妙な城壁の高さ、乱れた動線等意図的に守りづらくなっていると続ける。そして、王翦はいち早くそのことに気づいて姿を消したと言うと信はなぜそれで総大将が姿を消すのかと聞く。蒙恬はそこまではわからないと返す。
信はそもそも何で列尾を弱くする必要があるのかと苛立つと王賁は奪い返しやすくするためだと返す。列尾が強固の城であれば秦が落とし、手に入れれば今度は趙にとって不落の城になる、だから強固にせず、奪還しやすくしておき、列尾を抜いて敵が王都圏に侵入した時、大行山脈に伏せてある軍を南下させ、再び列尾を奪い返し、敵の唯一の出口を防ぎ、脱出口と補給線の両方を失った敵を王都圏の各軍でゆっくり包囲殲滅するという作戦だと説明する。
蒙恬は王都圏を狙う強行軍に対して逆に誘い込んで殲滅を狙って待つ防衛策なんて尋常ではないとし、練れるのは李牧唯一人だと一堂意見が一致する。
信は感心している場合ではないと焦るが、王賁はこの大遠征の本命である鄴攻めは列尾を不落として補給線を確保し続けることが絶対条件の作戦であり、その昌平君の大戦略が根元から粉々に打ち砕かれたのだと言い切る。
蒙恬は大将の王翦がいない席でこんな話をするのもなんだが、今俺たちには三つの選択肢があると思うと切り出す。一つ目は列尾に当初の予定以上の兵力を残して王都圏に突入する方法。弱いといっても城は城であり兵力さえあれば守りきれないことはない、ただしそれ程多くの力を割いて本命の鄴を落とせるか甚だ疑問が残るものであった。二つ目は列尾城の弱点を回収して敵の攻城戦に耐えうる城にすること。王賁はそれに一体何日かかるのか、李牧が戻って列尾より先に一歩も進めなくなると否定する。蒙恬は王賁に同意し、それではやはり第三の選択肢しかないと言い、全軍退却だと諦める。信は反発するが王賁は勢いでどうにかなるという戦いではなく、不用意にこのまま王都圏に侵入していけばこの二十万は本当に全滅すると言い切る。
楊端和は桓騎がほくそ笑んでいるのを見ると桓騎はやっぱ若ェなザコ共はと吐き捨てる。何でそこに第四の選択肢がないんだと言う。その作戦は逆にこっちからこの列尾を捨てて、全軍で王都に雪崩れ込み、兵糧が尽きる前に鄴をぶんどるという手であった。蒙恬は無謀過ぎると言うが、桓騎はそれが可能かどうか王翦が今走っているのだろうがと言った。





さすが李牧、恐ろしい作戦を思いつきますね。そして、それを王翦が見破り、いち早く動くと言うことまで見抜くとは相変わらずの怪物というところでしょうか。
桓騎の言った第四の選択肢ですが、仮に鄴を取れたとしても、列尾を塞がれたら、飛び地になり、李牧に囲まれて結局は殲滅させられるような気がしますが…
それとも二十万の軍を十分に養えるほどの兵糧が鄴にあるのか…それを含めて鄴に確認しに行くのでしょうかね
李牧であれば鄴の兵糧をすぐに運び出し、鄴を攻める価値のない城にしそうでありますが…
それならまだしも列尾を不落の城にした方がいいような気がしますが、そんなことを言ったら桓騎にザコだと言われそうだし、きっと黒羊みたいに防衛戦を張られて何も手出しができなくなるのだろうな〜

第510話 新兵達の夜

列尾城内では干斗が荒れていた。厳しい選抜を抜け、きつい調練を繰り返して来たのにいざ始まったら何もできなかったと叫んでいた。
そこに松左、崇原、尾平らが酒を持って現れる。干斗は大怪我したり、死んだりした奴がいる中で飲む気分にはならないと言うが、松左はだからこそ飲むんだ、一生に一度の初陣の夜の酒だ、どんな味かしっかり味わっておけと言うと干斗らも酒を飲み始める。
干斗は崇原に助けてもらった礼を言う。崇原は礼を言うくらいなら、さっさと強くなれと返す。松左はそれを聞き、あまりいじめるなよ、崇原だって初陣では一人も斬れずに小便漏らして終わったじゃないかと言う。干斗が本当ですかと崇原に確認すると崇原は本当だと返す。それを聞き、干斗らは少し安心する。
そして、隊長も初陣は結構恥ずかしい感じだったのかと尋ねると信は初陣の蛇甘平原ではいきなり敵守備陣の突破口を開け、窮地に馬一人で敵の大軍に突っ込んだり、初めて見た装甲戦車をぶっ倒したり、朱鬼だか麻鬼だかの敵将軍の首まで取ってしまったりと大活躍だったんだと懐かしむ。松左は信は十近く下のアホなガキなんだが、とにかく戦場じゃ誰よりもカッコいいと呟く。
尾平は今回、信の初陣までとはいかないまでも大武功を挙げた仁と淡を一番に祝いに来たと二人を探す。特に仁は山の民が城壁を登っても下から撃ち続けて三つの矢の筒が空になるまで敵を射抜きつづけたのであった。しかし、淡は一本も当たらなく、途中で撃てなくなったのであった。
そして、仁と淡の姿を列尾城を落とした後誰も見ていなかった。

淡は宿舎に一人塞いでいた。戦が終わった後、お前は少し反省しろと仁に頰を叩かれていた。

仁は一人で城内のある場所にいた。そこに貂が現れる。貂が初陣でいきなり大役を任せたことを詫びる。仁はそれは嬉しかったが、いざ始まると全部のことが思ったのと全く違ったと感じたことを言う。貂はまだ仁の手が震えているのを見る。仁は今まで一番力んで撃ち続けたことと、人を初めて撃ったからと言う。貂はきっと後者だと言い、震えてこその飛信隊だと言い切る。その優しさと弱さはこれから強くなれる証だと断言する。飛信隊はみんな色んな壁にぶつかって乗り越えて成長してきており、貂自身も戦いを操作し、相手や味方を殺すのも怖かったと語る。慣れはあるけど、弱さがあるから本当の強さを知れる、この手の震えは決して恥じるものではないと手を添える。仁はすっと立ち上がり、少し肩が軽くなったと貂に感謝し、淡を探しにその場を離れる。 

貂は列尾城で気づいたことを王翦に報告しようと王翦本陣を訪れるが、そこでは大きな騒ぎが起きていた。楊端和もそこに現れる。楊端和は騒ぎの原因は王翦が突如いなくなったからだと貂に教える。





さすが王翦…動きが全く読めない。これはきっと李牧の罠に気づいて、それを打破するために行動に移したと思われます。もしくは逃げたか…絶対に勝つ戦以外興味ないですもんね…
しかし、貂も気づいた様子ですね。さすが天下の大将軍になる隊の軍師。頼り甲斐がありますね。

第509話 矛の継承者

ついに戦場で放たれた強大なる力。信の手によって再び振るわれた王騎の矛は次々と趙兵を蹴散らしていく。その勢いは凄まじく、信が矛を振れば周りにいる趙兵は皆真っ二つに斬り裂かれたのであった。
尾平はそれを見て、信は将軍の矛をすでに使いこなしていると驚くが、羌瘣はよく見てみろと注意を促す。尾平は信の動きを改めて注視すると、信は豪快に振り遅れており、趙兵の攻撃を身に受けていた。信はこのクソ矛重すぎだろと叫ぶ。
信がもたついている間にシュンメン達山の民が城内に雪崩れ込む。我呂はボケッとしていると手柄を全部持っていかれると焦る。信は城門落としてもらっておいて中までやられたら、飛信隊が加わった意味がないと言い、中を制圧して城主を捕まえ、列尾を落とすと豪語する。

王賁率いる玉鳳隊が列尾に到着するとすでに列尾は秦軍に落ちていた。開戦してから半日も経っていなかった。
関常は望楼の上に気づき、王賁に伝える。王賁はすでに気づいており、その視線の先には望楼の上に旗を持った信の姿がいた。

趙国門列尾は陥落し、秦軍連合軍が入場する。蒙恬は何もしていないのに入れてもらって申し訳ないねと呟きながら入る。貂は渕さんに重傷者の手当てと動ける人間を信、羌瘣、楚水に集めるように指示する。尾平は一息ついたばかりであり、このまま宴だろと文句を言うが、貂は列尾はここからが忙しいと教える。
そこに貂の横に王翦が通る。王翦は部下に次々と城内の様子を解明させるべく、指示を出す。王翦の部下は飛信隊に対してご苦労だった、後は我々がやるため、指示があるまで待機しておけと命令する。
貂は秦軍は今この時から列尾を秦の城として、しっかり守らなくてはならなく、列尾城の全容を隅々まで把握する必要があったのだと言う。王都圏への突破口列尾をうまくこじ開けたが、鄴攻めが本命の秦軍にはこの列尾が呼吸口となり、兵站を繋ぐために確保し続けなければならなかったのである。

列尾までおよそ半日の赤馬丘では公孫龍が軍を走らせていた。そこに伝令が現れ、列尾陥落の急報が入る。それを聞いた部下達は城を手なづけていない間に取り返すぞと意気込むが、公孫龍は全軍停止させ、さらに反転し、前線を陽土まで退げて布陣すると指示を出す。部下は列尾を見捨てるのですかと言うが、公孫龍は落ちたら落ちたで奴らを術中にはめるまでだ、列尾には李牧が施した策が秘められていると語る。
そして、その時列尾ではまさに公孫龍が口にした李牧の施した秘策の存在に王翦だけが気づいていた。王翦はこの時、昌平君が練り上げた鄴攻めの戦略が音を立てて崩れていくのを感じていた。




まずはブログの更新が遅れてしまい、申し訳ございませんでした。どうしても外せない私用がありまして、更新ができませんでした。

李牧の施した秘策とはなにか。
何となく、列尾が呼吸口として機能しなくなるということかなと思いますが、具体的には想像できないですね。
しかし、その存在に気づいた王翦はこの後どうするのか。知能の戦いになると思いますので、楽しみですね。

第508話 山民族の剣

バジオウはついに城壁に立つ。そして動き出す。バジオウの剣は凄まじく、城壁にいる趙兵は次々と斬り倒されていく。趙兵は盾で囲み、押し潰そうとするが、バジオウは飛び蹴りで盾兵を蹴り倒し、囲ませなかった。山の民はバジオウに続くべく、次々と城壁に登り、趙兵をなぎ倒していく。信はそれを確認し、突撃の準備を始める。
そして、ついに山の民は城門開閉の部屋を見つけ、城門を開けることに成功する。それを確認した飛信隊は突入を開始する。しかし、趙兵も待ち構えていたため、気合を入れて戦わねば返り討ちをくらう可能性があった。

干斗ら新人達は舞い上がり、伍を崩して一人趙兵に飛び込む。そのため、干斗の伍の内一人が趙兵に殺されてしまう。また、干斗も趙兵に体当たりされ転び、殺されそうになる。そこに崇原が現れ、趙兵を斬り捨てる。崇原は伍を崩すなと再度命令し、乱戦の中では生き残ることだけを考えて戦え、生き残ったら少しだけ褒めてやると言い残し、その場を離れようとする。
そこに歓声が響き渡る。趙兵の雷花騎馬隊が現れ、田有が倒されたのであった。干斗は雷花騎馬隊の力を見て、震え上がるが、崇原は心配するなうちには信がいると言う、
信は王騎の矛を振り下ろし、雷花騎馬隊長を両断する。





ついに信が王騎の矛を使い始めましたね。これからの活躍がさらに期待できますね。
しかし、また田有さんは斬られちゃいましたが、大して深くなさそうなので、彼にとってはかすり傷程度でしょう。しかし、田有さんはほんと不死身キャラだな〜

第507話 仁と淡

緊張が走る仁と淡の初陣。兵士の死を目の当たりにして、戸惑い出す。楊端和は仁と淡を見て、信にお前達の弓使いはずいぶん子供っぽいなと言う。貂は隊の中でも最年少であるが、腕は間違いなく一級品だと断言する。しかし、信は二人はまだ人を撃ったことがないことを不安視していた。

鳥加族は盾を降ろし、弓矢を撃つ陣を構える。そこに仁と淡と仁と淡を守る飛信隊員も加わる。仁と淡を守る飛信隊員は鳥加族は城からずいぶん遠目に陣をとったなという印象を受ける。
しかし、淡は思っていたより近いと感じており、もっと後ろから撃ってもいいかと聞くと飛信隊員は敵の矢は全部盾で守るから安心しろと言う。しかし、淡はそうではなくてと続ける。
そのようなやり取りをしている間に鳥加族の射撃が始まる。城壁にいる趙兵は梯子を登ってくる山の民を矢で撃ち落としていた。その城壁の趙兵に鳥加族の矢が刺さる。それに合わせてバジオウの歩兵の梯子がかかり始める。信は流れが来ていることを感じたが、貂は仁と淡が矢を撃っていないことに気付く。
仁と淡は飛信隊員になぜ撃たないと問い詰められる。淡はここからじゃ敵の顔がはっきり見え過ぎると訴える。それがどうしたと返されると撃ち出したら、顔がはっきり見える相手を一方的にと淡が言うと仁はやめろと止める。仁は予想外なことが二つ起きているが、わかって来たはずだと言い聞かせる。予想外なことの一つは覚悟が少し足りなかったこと、二つは手の震えが止まらないことであった。仁は覚悟は今決めればいいし、この距離の弓なら多少の手の震えなど何の問題もない、自分達が撃てない間に梯子を登る味方を敵の矢が一方的に殺している、それを止める、今はそれだけを考えて、おれに続けと淡に言い、矢を放つ。その矢は城壁にいる趙の指揮官を射抜く。さらに仁は矢を放ち、次々と趙の指揮官を射抜く。仁は淡に続けと命令する。淡は一心不乱に矢を放つ。しかし、その矢は城壁に突き刺さる。何度も繰り返すが、全て城壁に当たっていた。淡はその場で泣崩れる。仁は十連だ見ておけと言い放ち、十射全て趙兵の頭を射抜いた。そしてついにバジオウが城壁に立った。



仁と淡の初陣ですが、仁は乗り越えられたものの、淡は未だに戦闘には慣れない様子ですね。
実力あるものが、実戦で使えるかどうかの瀬戸際なので、ぜひ淡も乗り越えほしいと思います。

第506話 山の民の攻城戦

楊端和の檄により火蓋が切られた列尾攻城戦。山の民は火球の如く列尾に突進する。
それを見た趙兵は城の中に戻り始め、矢の雨を浴びせようと待ち構える。
突進する山の民の中から一際速い部隊の飛馬族が飛び出す。その速さは凄まじく、城内に戻る兵に追いつこうとしていた。城壁の上から放った矢もその速さでかいくぐったのであった。焦る趙兵は兵が戻り切る前に門を下ろすよう命令する。
飛馬族は落ちる門をすり抜けようするが、間一髪門を閉める方が早く、激突する。激突を避けられた飛馬族は矛などで門を破壊しようと叩いた。また、持ち上げようと試みる。しかし、門は当然の如く閉まったままであった。
それを見た楊端和は大体うちはこんな感じだと言い、始めるかと城壁に梯子をかける。

一方、玉鳳隊は小休止に入っていた。そこに列尾攻めの報告が入る。また、城攻めが山の民と飛信隊だけだという内容は玉鳳隊員達を驚かせた。王賁は王翦の意図を自分の目で確かめると言い、走り出す。関常は素直に飛信隊が気になると言えばいいのにと言うと王賁はそれを無視した。

列尾攻城戦は山の民が矢の雨の中、城壁を登ろうとしていた。それを趙兵が必死に抵抗していた。それを見ていた羌瘣はこの城壁はしばらくは落ちないと見ていた。
楊端和は遠巻きに攻城戦の様子を見ていたが、ある攻めどころを見つけ、バジオウと鳥加族を呼ぶ。そして、信にそれを援護させるための腕の良い弓使いはいないかと尋ねる。
信はとっておきのがいると自信たっぷりに返す。




攻城戦始まりましたね。さすがに飛馬族の電光石火で終わることはありませんでしたが、あまり時間がかからず終わりそうな雰囲気ですね…

第505話 熱狂

趙の国門の列尾に到着した秦の連合軍。対峙する趙の軍勢に熱気と闘志がこもる。
趙兵は二日もすれば王都圏から大軍が到着するだろうが、それをあてにせず、近づく秦兵は皆殺しだと湧き立つ。
それを見た蒙恬は秦軍の数に逆に士気を上げてきたことに不安を感じる。また、楽華隊では王翦の飛信隊と山の民だけで列尾を落とさせるという作戦に疑問を呈した。蒙恬は城の作りはともかく士気の高さが厄介であり、国難に面した際の守る側士気で、城は何倍も強くなると感じていた。

秦と河了貂と楊端和、タジフらが並ぶ。河了貂は王翦の意図はともかく、やるからには自分達だけで列尾を落とすつもりでやる、しかも二日以内にと言い切る。それを聞いた楊端和は半日で落とすと断言する。城攻めは簡単であり、城壁を登って、裏に回り内から門を開け、部隊を突入させて中を制圧する、城壁を落とすのは山の民がやるので、飛信隊は門が開いたら中に突入できるよう準備をしとけと指示する。信と貂は楊端和の城攻めの甘い見通しに大きな不安を感じていた。
タジフは敵で城の外に出ている奴らがいる指摘する。貂は秦軍が近づけばすぐに城内に入る、背を打とうと焦って突っ込めば城壁の上から矢の雨を受ける典型的な戦術と解説する。さらに敵前に騎馬隊を出すという勇敢さを見せて自軍を奮わせる狙いもあると続ける。
楊端和は心配無用、山の民には山の民の戦い方があると言い残し、前に出る。今この地には百を超える山の族が集結しており、何百年も争ってきた大族まで参戦していた。どの族の長もこんなことは今まで起こり得なかったことで、全ては楊端和一人の存在であり、山界の死王と畏れられ、愛される女王一人の存在で山界の統一がなされたのであった。その楊端和はいつも敵を正面からねじ伏せていたのであった。
楊端和が一人前に出て、それを見た山の民の気持ちは最高潮に達する。楊端和は敵が何かさえずっている、あれが雄叫びとは片腹痛い、本物の戦士の雄叫びとはどんなものかと叫ぶと山の民の大声が地平線まで響き渡る。
それを聞いた趙兵に焦りが走る。
蒙恬は趙最大の武器の士気を正面から凌駕しようとしていることを見抜く。
そして、楊端和は山の民に血祭りだと号令を発する。





記事では少し省きましたが、楊端和の檄はなかなか凄いものでしたね。合従軍の際の蒙武の檄もなかなか凄かったですが、それに匹敵するかと思います。
やはり兵の力を最大限に発揮するために檄は重要なんでしょうね。
来週実際にどのように山の民が列尾を攻略するか楽しみです。
本当に半日で落としちゃうのかな…?

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