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第482話 離眼と趙国

桓騎は紀彗の弱点を抉り、趙軍を混乱に落とす選択を迫る。紀彗は金毛に対して、丘を捨てると宣言する。金毛は紀彗に対して丘の占拠こそ戦の勝利であり、自らそれを捨てるというのはあり得ないと諭す。しかし、紀彗は離眼を助けに行かなければならないと自らの意志を曲げるつもりなかった。
金毛は桓騎軍が離眼を落としたとしても飛び地のため、趙軍に包囲され滅するだけだとし、明らかに紀彗を誘い出す罠であり、紀彗軍が去った後に丘を攻め上がる兵が隠されていると説得する。
馬呈はそんなことは紀彗も当然わかっているが、それでも追わないと必ず腹いせに離眼を血の海にすると焦る。
金毛はせめて二日待てば砦が完成し、慶舎軍だけで丘を守れると譲歩する。
しかし、紀彗は今の離眼は桓騎軍を相手に半日も持たないと受け入れなかった。
そこに岳嬰が割って入る。
岳嬰はそんな身勝手は通用するわけがなく、どうしても行くのであれば殺してでも紀彗らを丘に留めると刃の先を向ける。馬呈は岳嬰の矛に自分の斧を乗せ、その前に自分が岳嬰を倒すと怒りを露わにする。
金毛はもしこの場で紀彗を殺せば全離眼兵は決死隊となって、慶舎軍に襲いかかり、それが趙軍の選択の中で最悪の道だと叫び、今我々はこの戦いの勝ちか負けの究極の選択を桓騎から突きつけられており、その判断を下すのは趙軍の実質的総大将である紀彗だと睨みつける。
金毛はさらに続ける。
最後に中央の武将として離眼城城主紀彗に言っておくことがある。それは慶舎軍は離眼のためでなく、趙国を守るために黒羊に戦いに来たのだ。黒羊を失えばここを拠点に周囲一帯が秦軍の侵略を受けるだろう、離眼はその中の一城に過ぎず、実際にそうなった時の趙人の血がどれほど流れるか予測すら立たぬ、そして一帯が秦の領土と化した時、言うまでもなくさらに奥深くまで次の侵略を受けることになるため、そうさせぬための黒羊戦であったのだ。それを防ぐために皆は戦いの血を流し、死んでいったのである。離眼一城を救いに行くというのであれば、その全てを無に帰すことになり、離眼一城のために趙国西部一帯が失われる可能性がある。それほど重い選択なのだ、よく考えて決断しろ紀彗と言葉を浴びせる。
紀彗は金毛の言葉に何一つ返事ができないでいた。


離眼城の城壁にいる兵士は遠くに物凄い数の兵士を確認する。鐘を鳴らし、男は全員城壁に登らせ、女子供を地下道へ避難させる。桓騎が来たと焦るが、実際に来たのは紀彗であった。
そして、紀彗は離眼を離れる準備を始める。




金毛の言うことは最もであり、何一つ間違っていなかったが、やはり紀彗も人であり、頭では行ってはならないと分かっていても、止めることはできなかったのでしょう。
しかし、そう考えるとみんな桓騎の掌の上でクリクリ踊っているだけですね…
桓騎、ホント恐るべし…

第481話 苛烈な贈物

飛信隊に平穏が戻る中、桓騎の伝令より最終指令が下る。信は伝令より今日で戦が終わると本当に桓騎が言ったのか驚きを隠さず確認すると伝令は確かにそう言ったと返す。

趙軍は中央の丘の要塞化を終えていた。しかし、そこにいた物見はある異変に気付き、紀彗の元に駆け寄る。急いで麓まで来てほしいと。馬呈は敵襲かと確認すると伝令は敵襲ではなく、桓騎からの贈物と伝文だと返事する。
紀彗と馬呈が麓まで下りると砦の外まで出て行くとこになった。
そこで紀彗は衝撃的なものを目にする。
そこにはアーチ状のものが設置されていた。そこには何百もの黒羊の民の女、子供達が惨殺されて、アーチ状に括り付けられていた。
それを見た紀彗は怒りに震える。
そして、部下より桓騎からの伝文を聞く。敬愛なる名将紀彗殿へ、副将ながら獅子奮迅の活躍お見事、その紀彗殿を称えて、この骸の巨像を贈る、じっくりと見て、目に焼きつけろ、いいか紀彗、これ以上の惨劇をお前の離眼城で起こしてやる故楽しみにしていろという内容であった。それを聞き、紀彗は烈火の如く怒りが湧き上がる。

そこに急報が入る。
それは桓騎軍は離眼城に向かって移動し始めたことを伝えるものであった。




間違いなく紀彗は中央丘を捨てて、桓騎軍を追いかけるでしょう。軍本来の目的は民を守ることなので、自分の城の民を見捨てて、黒羊戦に勝つという選択肢はないでしょう。金毛は残るかもしれないですが、、、、
桓騎は紀彗が追ってくることはわかっているので、各所に伏兵をしたり、対策はしっかりしているでしょう。背を取られても来るとわかっていれば、大して怖いものではないですからね。さらに飛信隊と挟み撃ちにすれば紀彗軍は壊滅となるでしょう。
残された金毛は自分達の兵だけでは中央丘を守ることはできないため、撤退しようとするが、そこも桓騎軍に絡め取られそうですね。
そして、守る軍がいなくなった離眼城は桓騎の魔の手に堕ちるのか…

第480話 尾平と飛信隊

飛信隊と信への熱くみなぎる気持ちを桓騎にぶつけた尾平。しかし、返り討ちに遭い、馬乗りにされ、顔面に拳を何発も叩き込まれて、意識が飛んでいた。
そこに那貴が現れ、桓騎兵を止める。しかし、桓騎兵はてめぇには関係ないと続けようとするが、那貴は自分が声掛けをして、尾平を桓騎軍に送り込んだため、関係あると返す。それに怒りを感じた桓騎兵は雷土一家の自分にケンカを売ったら、那貴のような小さい組はとまでいうと那貴は桓騎兵の首に膝掛けを食らわせ、首の骨を折り殺したのであった。那貴は一家をバカにしたのが悪いと言い、おれがキレたら雷土より怖いと脅し、桓騎兵を退散させた。

飛信隊の陣では田有が羌瘣に手当を受けていた。羌瘣は桓騎を少し甘く見ていて、危うく田有を死なせるところだったと反省する。田有は尾平が乱入してきて結果的に命拾いしたなと呟き、さっき尾平が帰ってきたと騒いでいたなと言うと羌瘣は桓騎兵に暴行された瀕死の尾平を那貴が運んできて、今信が尾平についていると教える。
それを聞いた田有はどっと疲れたな羌瘣と口にする。羌瘣はそれに同意する。


尾平は意識を取り戻す。そして、傍に信がいることを確認する。
信は語り始める。実は昔戦地で一般人の家に入って盗み食いをしたことがある。ちょうど三百人将になったくらいの頃、一回無茶して隊が散り散りになり、皆が集まるまで一週間以上かかった。信は一人で深手を負い、食い物もなく、倒れそうだった時に茂みの中に民家を見つけたのであった。その住人は戦が始まることを察知し、慌てて逃げたようで作りかけの料理がそのままになって、腐りかけていたが、信は上がり込んでそれを全部平らげたのであった。意識は朦朧としたが半分腐ったその食物がとんでもなく美味かったのを覚えていた。
そして、その半年後にまた似たような状況になったのだ。住人は逃げ出して作った料理はまだ綺麗なものであったが、飢えで倒れそうではなかったというのが、前回と異なる点であった。しかし、腹は非常に減っていたので、また食べたが、その味はクソみてえな味がしたのであった。その時信はそうだよなと納得したのだ。子供の頃光り輝くものであり、ヒョウと思い描いた天下の大将軍の姿は陵辱や虐殺などはなかった。信はその時にヒョウと夢見た天下の大将軍の姿は今でも色あせる気は全くしなかった。もし、桓騎みたいなやり方で勝ち続けてもヒョウは喜ばないし、信も何も嬉しくない。ガキみたいなことを言っているのは十分理解しており、飛信隊の隊員にも青臭いとバカにされ、いろいろ我慢させてしまっているのもわかっている。しかし、そこは譲れなく、子供の頃に描いた誰よりも強くてカッコいい天下の大将軍に本気でなりたいと思っており、飛信隊もそういう隊でありたいと思ってると力強く語る。
天幕の外で信の話を聞いていた隊員達はその言葉を聞き、涙した。

信は尾平におれのわがままに付き合わせて悪いなと言うと尾平は一つも悪くないと叫ぶ。みんな好きで信のわがままに付き合っていて、全部承知の上で信と一緒に戦いたいと思っているんだ。それに実際我慢なんてことはない、桓騎軍と飛信隊は決定的に違っており、飛信隊は信と一緒に戦っているから、心が潤っているから略奪も陵辱も必要ないと豪語する。そして、尾平はもう一度飛信隊に入れてくれと懇請する。信は当たり前だ、一番賑やかな尾平がいないと隊が始まらないと返す。

黒羊五日目は中央丘を占拠し、砦化を進める趙軍に対して、秦軍は内輪揉めで半日を費やしたのであった。
だが驚くべきことにこの五日目の残り半日で黒羊戦は終結を迎えるのである。





信の子供の頃の夢の大将軍になりたいという気持ちとそれを支えようとする飛信隊は一層結束は固くなり、また一段と強い隊になるでしょう。
心を揺り動かされた良い回だったと思います。尾平も戻ってきたし。

しかし、ここから桓騎はどんな手を打ってくるのか。砂鬼一家がいたこと、桓騎兵がゲロを吐いていたことから、あの大きな輪のような物体はきっと人体を使った何かなんでしょうね。
少なくとも紀彗が砦化した丘を放棄して、降りてこざるを得ない状況をどう作り出すのか気になりますね…

第479話 尾平の叫び

尾平の頭に幾重にも反芻する信の涙と拳。飛信隊脱退を告げられた尾平は一人佇んでいた。
尾平は信に殴られた後、羌瘣に縋るが、羌瘣は尾平の頬を殴り、自業自得だと怒る。信と同郷で一番の古参のくせに全く飛信隊のことがわかってないと吐き捨てる。
桓騎はシラけたなと呟き、信達にもう行っていいぞと興味を失っていた。信はまだ話は終わってないと睨むが、桓騎はすでに村焼きは全部終わっており、これ以上はなく、気が変わる前に失せろと返す。

尾平と一緒に桓騎軍に参加していた飛信隊員は尾平に対して、信のところに行って、弁明しようと言うが、尾平は無理だよと言い、城戸村に帰ると丘の上でいじけていた。尾平はこれまで、どれだけ血と汗を流し、何度も死にかけたのにたかだか腕飾一個とっただけでクビなんてふざけるな、村人のものとは思ったが、村は崩壊しており、それが何だってんだと想いを口にした。
尾平はさらに自分は信や羌瘣と違い、普通の人間であり、命がけで戦ってきたのに、腕飾一個で出て行けなんて、飛信隊のことを一番わかってないのは信じゃねえかと涙ながらに叫ぶ。

そこに丘の下より桓騎兵の笑い声が聞こえてくる。それは信が桓騎本陣に殴り込みにいったときの話であった。村人からの略奪や殺戮を禁止している飛信隊であったが、隊員の一人が腕飾を奪って、ぶっ飛ばされたとのことで、上もアホなら、下もアホだと笑う。さらに我慢の連続で見返りもなく、それで討ち死にした日には正にクソみたいな死に様だと笑い飛ばす。しかし、一番の問題は信であり、盗るのも怖い、犯るのも怖いとあれば将としても、男としても器は小さい、しかし、その小物は中華統一と天下の大将軍になるという夢を持っていると嘲笑う。

尾平はたまらず丘を駆け下り、桓騎兵を殴る。尾平は殴り返されるものの、信を笑う奴はただじゃおかねえぞと叫ぶ。器がでかいから盗みも犯しもしないのであり、信のために死ぬことはクソ死にではない、弟は立派に信を命懸けで守ったのだ、信が綺麗事を言っているのは百も承知で、色んな誘惑はあるが、それらも関係ないくらい、信のことが好きで、みんな信と一緒に命をかけて戦いたいんだと力強く言うと、尾平はそれが飛信隊なんだと改めて認識し、涙を流す。



まずは来週休載です。
尾平は改めて飛信隊への想いを再認識しましたが、この後どうすれば信に許してもらい、復帰できるのか…
信も頑固なところがあるので、単に謝るだけではダメなんだろうな…きっと

第478話 殴り込みの末

秦軍内の対立の中、リン玉に連れられ、尾平が信達の前へと急ぐ。

桓騎は信に対して、中華統一すれば戦がなくなる平和な世が来ると言いたいだろうが、それは極悪人の所業であり、敵国が抵抗できなくなるまで殺戮、略奪をし尽くすことで、それを喜ぶのは秦人だけだと断言する。さらに狂気じみた正義を振りかざすのが一番タチが悪いと続ける。
信は違うと否定するが、羌瘣は信にもういい、こんな連中に話をしても無駄と切り捨て、無意味な村焼きを止めさせることに話を向ける。桓騎は無意味だと決めつけるなと言うが、羌瘣は敵将慶舎の首は信が昨日討ち取っており、無意味だと豪語する。
羌瘣の発言に桓騎軍は騒めき出した。その言葉に桓騎は昨日の戦い方が変わったのはそれのためかと理解する。羌瘣は討った飛信隊を裏へ追いやったことをいいことに趙は隠して戦い続けており、敵は丘の砦化を進めている、村焼きなんかやってる場合ではないと言い、今すぐ慶舎の死を両軍に知らしめて士気を反転させ、一気に丘攻めに出るべきと桓騎兵に向かって発言する。
しかし、桓騎は村焼きを続行し、黒羊中の人間を皆殺しにすると考えを変えなかった。
羌瘣は桓騎に斬られないと思っているのか、相応の覚悟できていると返すと桓騎は自身を殺して、飛信隊が皆殺しにあう覚悟だよなと確認し、部下に田有の首を今すぐかき斬れと命令する。
羌瘣は桓騎の首を刎ねるぞと大声で叫ぶが、桓騎は羌瘣は絶対に殺せないと言い、部下に田有を殺せと再度命令する。その命令を受け、桓騎兵は剣を田有の首に押し付け、それにより、首から血が噴き出す。

そこに尾平が現れ、どっちも止めろと叫ぶ。尾平は焼かれた村は武器や兵糧の保管場所で秦軍の動静を趙軍に教える物見の役割もしており、一般人への陵辱とは異なるため、謝罪して隊の元へ戻るんだと説得する。
信は村人が趙軍だって見たのかと問うと尾平は見てないが桓騎兵がそう言ったからとだけ返した。信は曖昧な返事に尾平に詰め寄り、趙軍が関係していれば女や子供まで皆殺しにしていいのかと問い質す。尾平は状況が飲み込めず、しどろもどろになりつつも、小声でそんなことよりも桓騎軍が森の中で飛信隊を討つために戦闘体勢に入ろうとしていると警告する。しかし、信はそんなことじゃねえだろ、自分で何言ってるのかわかっているのかと尾平を締め上げる。
その時、尾平の懐から紫水晶が落ちる。雷土がそれを拾い上げ、これは上物であり、大事に取っておけと尾平に渡す。
信は尾平にまさか死人から剥ぎ取ったのかと問い詰める。尾平は違う、桓騎兵にもらったんだと必死に否定するが、信に焼かれた村の人間のものとは考えなかったのかと聞くと、尾平はそれはと言葉に詰まる。信はその尾平の姿に涙を流し、渾身の力を込めて、尾平の顔面を殴る。尾平はその勢いに体ごと吹っ飛んだ。
そして、信は二度と飛信隊に戻ってくるなと尾平を追放した。




信にとって、信頼していた尾平が飛信隊の最もやってはいけないこととして禁止していることをして、非常に悲しかったと思います。
尾平は飛信隊追放になり、このまま桓騎兵になるというわけにはいかないでしょうから、一度城戸村に帰るのかな…

信と桓騎の対立はこのまま信が引き下がることにより、桓騎暴挙が続き、趙軍が丘を降りてきたところを狙って叩くという作戦が功を奏し、桓騎軍の勝ちとなるでしょう。
信は慶舎をとったことにより、将軍に昇格すると思いますが、自分の戦いを展開するには将軍になるしかないと思うんでしょうね

第477話 矜持の咆哮

残虐の限りの光景に怒りの眼を浮かべる信と羌瘣。火球の如く桓騎の元へ馬を走らせる。
貂は行ってはダメだと止めるが二人は聞く耳を持たなかった。貂は田有と去亥に信たちを追うように指示し、渕さん達には散っている小隊を探して飛信隊を一ヶ所にまとめ、いつでも戦闘になっていいよう臨戦体形を組むよう指示する。それは下手をすれば飛信隊と桓騎軍の戦争の可能性を意味していた。

桓騎本陣に信と羌瘣が辿り着き、信は桓騎の名前を怒鳴りつける。桓騎は信を見て、生きていやがったのか面倒くせーのがと呟く。信は丘を奪われた挙句、無関係の人間からものを奪い、いたぶり、皆殺しにして、一体何をやってんだと叫ぶ。桓騎は冷静にただの陵辱と虐殺だと言い、おれは何でもやると最初に言ったと返す。信はだが全て勝つためにやると言ったぞとさらに叫ぶ。桓騎はだからこうやって勝つんだよと言う。
その返答に信は怒りが増し、桓騎に詰め寄ろうとするが、雷土が信を殴り止める。雷土は信を骨のあるやつかと思ったが、何にキレてんだと信の頭を鷲掴みにする。雷土は趙に攻め込んで、趙人が死ぬ、戦争やってんだろ、それとも弱者をいたぶるのに加えてほしかったのかと言うと信は裏拳を雷土に食らわせる。それを受け、雷土は反撃するが、信の雷土の顔面への渾身の一発が炸裂し、雷土は宙を舞う。黒桜はすかさず信に矢の照準を合わせるが、羌瘣が弓を切り、黒桜を投げ飛ばす。そして、桓騎の首に剣を突きつけ、全員動くなと警告する。
信も雷土から剣を突きつけられていた。そして、雷土はもうただでは収集つかない状況になったと怒りを露わにする。
信はその状況で、昔、落とした城を陵辱していた乱銅という千人将を斬ったと話す。乱銅はこれが戦争だと言ったが、信はそれは戦争じゃねと豪語する。今は五千人将であり、侵攻がどういうものかわかっている、制圧した地での反乱に対する刃と無力、無抵抗の人間に向ける刃は決して違う、それが戦争だと言い切るやつは武将や兵士ではなく、ただの侵略者だと言い、さらにそんなやつらがらどれだけ強く、勝ち続けようとも中華統一なんてできるわけがねえと言い切ると、桓騎兵は一様にその言葉に心打たれる。
しかし、桓騎は高らかに笑い出す。そして、信を指差し、参った、お前が今まであった中で一番悪党だと言い放つ。




信と桓騎のまさかの舌戦が繰り広げられるとは思いませんでした。それぞれの考える中華統一とはを語り出すのでしょう。まさに政と呂不韋の時のように。
信が熱く桓騎に反論するが、最後は尾平が出てきて、飛信隊の矛盾を突き付けるのでしょうね…信はその時どうするのか気になりますね。
しかし、仮に信の言い分が通って、趙人を解放したら、ここからの一手は何もなく、まさにこの戦は趙側の勝利になりますね…それでいいのかとも思いますが、大義名分の方が大切か、、、、




ここ最近、たくさんのコメントを頂き、感謝しております。しかし、申し訳ございませんが、来週は中国出張のため、ブログ更新が土曜の夜遅くになると思います。皆様にはご迷惑お掛けしますが、何卒宜しくお願い致します。

第476話 煙の真実

黒羊にたなびく煙を目撃し、一心不乱に樹海を駆ける羌瘣。敵と出くわす危険を顧みず、全速力で突き進む。
紀彗は丘の上から煙の存在を認識するが、桓騎軍の動きは確認できていなかった。部下から麓から二里離れた地に陣取り、攻め上がる気配はないという報告を聞くと、紀彗は着々と丘を砦化していったのであった。

信達は羌瘣の後を追うとある集落に辿り着く。そこは家屋が全て焼かれているものの、死体もなく、全く人の気配がなかった。
しかし、信はふと岩の陰に気配を感じ、馬を走らせる。そこには桓騎軍が集落の人の死体を車に積み上げているところであった。
信はそれを見て何をしてると聞いてんだクロ野郎どもがと叫ぶ。しかし、そこは渕さんと貂が身体を張って止める。乱銅の時とは異なり、上には桓騎がいるためただではすまなくなるからであった。

羌瘣は車の死体の中に治療をしてもらっていた混婆を見つける。羌瘣は混婆と戦いが終わった後にご利益のある御守りをもらう約束をしていたことを思い出す。
羌瘣はお前らがやったのかと桓騎兵に問うと桓騎兵はだったら何だよガキと答える。
羌瘣はそれを聞き、そこにいた五、六人を斬り捨てる。その光景を見た桓騎兵は恐れおののき、全部お頭の命令でやっただけだと叫ぶ。
それを聞いた信と羌瘣は怒りの矛先を桓騎に向かわせた。



ここから信と羌瘣は桓騎と相対するでしょう。最悪斬り合いということになるのではないかと心配ですが、今後の展開がなかなか読めないですね。
桓騎は信と羌瘣の怒りをどうかわすのか…

第475話 動揺のその先

桓騎軍の眼前には中央の丘を制した趙軍の多数の旗が風になびいていた。桓騎は中央丘争奪戦を放棄したことにより、桓騎軍の陣内には動揺と怒りが漂っていた。

桓騎とリン玉は天幕の中に入る。そこには雷土、摩論、黒桜がおり、それぞれ怒りの表情を露わにしていた。摩論は桓騎に対して、今日の丘撤退がどうしても納得がいかなく、理由を教えて頂きたいと口を開く。雷土は桓騎のことは信じているが、丘取り合戦から方針が変わったのなら、説明してほしいと意見した。
桓騎は方針は変わってなく、この黒羊の勝敗は中央丘をどちらかがとるに決まっていると返す。それを聞き、雷土はだったらなぜ丘を明け渡したりしたのかと怒りを口にすると、桓騎は丘をとるためだと返す。その返答におちょくってるのかと怒るが、桓騎は長くやっているせいで、最近お前らの考えは軍に染まってきている、理由だの戦術だのどうでもいい、昔みたいにおれを信じろ、おれのやっていることはいつも完全勝利の結果に繋がっていると言うと雷土、摩論、黒桜の三人は自然と納得する。
桓騎は話を変え、飛信隊と那貴の現状を確認するが、紀彗騎兵の急襲から行方知らずであり、相当奥深くまで終われたか、死んだかと黒桜は返した。
桓騎はあっそとだけ言い、次は久々におれたちらしいやり方で存分にやる、弱者をいたぶると言う。今、この黒羊には趙軍でも秦軍でもない第三の人間がいやがると語る。

紀彗と金毛は丘の頂上に立ち、桓騎の動向を怪しんでいた。しかし、紀彗は黒羊はこの中央丘を手にした者が黒羊の勝者となることは間違いなく、夜を徹して丘を砦化することにより、明日以降絶対に丘へ登らせぬと強く決意する。明日一日桓騎軍の攻めを受け止め、砦化が進められれば、この中央丘は不落となり黒羊戦に勝利できると確信していた。

そして、黒羊戦五日目の朝は紀彗も金毛も全く予想しない景色から始まる。金毛、桓騎は黒羊の森の至る所から煙が上がっているのを目にする。
尾平は集落の焼け跡に辿り着く。しかし、桓騎軍の兵士は集落の焼け跡ではなく、趙軍の物資の隠し場所であり、そこを襲ったと言う。尾平はそれでも人気が全くないことを不審に思う。そこに宝石が落ちているのを桓騎兵が発見し、尾平に渡す。尾平は飛信隊では禁止されていると拒否するが、故郷の女に持って帰れ、黙っていればわからないという甘言に心を惑わされ、受け取る。

信は夜通し走って敵をまいて、元の場所に戻ると丘が趙軍に取られていることに驚きを隠せないでいた。
羌瘣は煙を上がっている方向を見て、焦りを感じた。




桓騎軍は羌瘣を助けたと思われる集落を襲い、人質作戦に出るのかと思われますね…
残虐非道であることは間違いないが、それも戦争なのかな…
羌瘣は集落を助けに行くところで桓騎兵との戦いがありそうですね

第474話 趙将の正念場

総大将慶舎と劉冬を失い、多大なる打撃を受けた趙軍。馬呈は劉冬の死を知り、泣き崩れ、怒りに震えていた。紀彗は馬呈の肩を掴み、ここが正念場で、その怒りを全て桓騎軍にぶつけろと言う。そして、丘の左半分を馬呈に任せる。紀彗は頂上で紀彗と話をつけてくるとその場を離れた。

金毛と紀彗は丘の頂上で向かい合う。
金毛は顔面蒼白しており、慶舎の死をまだ受け止められないでいた。しかし、こうなった以上被害を最小限にするために黒羊から撤退をしようと決断する。
しかし、紀彗は退却はせぬ、ここから立て直すのだと金毛に詰め寄る。金毛は総大将慶舎が討たれたのに何を言っているのだと反論するが、紀彗はまだ誰も気付いていない、慶舎は誰も見ていない丘の裏側で討たれ、討った飛信隊はその裏の樹海地を逃走中で桓騎軍内で広まることはない、混乱させぬよう趙軍内にも広めていないため、お互いが黙っていれば慶舎の死を隠したまま、紀彗と金毛で黒羊戦を続けられると説得する。
紀彗はさらに黒羊の難しさとなぜ秦軍がこの地を攻めてきた理由を語る。黒羊は城こそないが天然の要塞で、ここを秦に奪われ、軍の前線基地を築かれれば趙軍は奪還はおろか敵兵数すら把握ができない最悪の侵略要地と化すためであった。結果、趙は国境を大きく内に下げざるを得ず、そこにいた趙人は土地を追われ、皆難民となる、黒羊は慶舎と桓騎二人だけの戦いではないと力説する。
紀彗は兵数はまだ趙軍の方が多いため、このまま共に戦おうと言うと、金毛は長年忠義を尽くした慶舎はもう戻らぬが、我々は趙将としての大いなる責務があると言い、紀彗の策を受け入れた。

この黒羊戦で大局を掴むのは結局中央丘をどちらかが制圧することであり、戦を続けることは特に問題なかった。
紀彗は左半分を怒れる馬呈が黒桜の位置を補足しているため、必ず左をとると考えていた。問題は右であり、金毛と摩論の力は拮抗していたため、紀彗の隊が介入することにより、摩論軍に揺らぎを作り、摩論軍を打ち破ろうとした。
紀彗は何としてでも慶舎の死が聞き広がる前に中央丘を奪取しようとしたのだ。

桓騎軍本陣は麓から趙軍の急な力技により、異変を感じていた。リン玉は慶舎に何かあったのかと疑問を口にするが、桓騎はこの戦いの最大の獲物は慶舎ではないと言う。
桓騎はそこに砂鬼一家を呼んでいた。そして捕虜となった趙兵の拷問を始める。
そこから得た情報により、桓騎はこの戦の勝利を確信する。
そして、黒桜と摩論は全兵丘より撤退し、丘を趙軍に明け渡せと伝令を聞く。




これは間違いなく離眼城を攻めるんでしょうね…離眼城を制圧して、城民の命と引き替えに紀彗を降伏させるという流れになるかと思います。
心を鬼して、離眼の民を見捨てれば中央丘は趙軍が制圧しているので、この戦いは趙軍の勝ちになるのでしょうが、紀彗はそんなことできないでしょうね
しかし、桓騎はその約束を反故しようとしそうですね…そこに行方がわからなかった飛信隊が登場するという感じかな

しかし、黒羊丘がそんな天然の要塞になるのであれば、なんで李牧は秦が攻めてくる前に築いておかなかったんだろうか…?

第473話 歓喜の撤退

慶舎は信の渾身の一刀に崩れ落ちる。李牧に恩返ししきれなかったことを悔やみつつ、息をひきとる。
信は右手を空に突き上げ、慶舎の首を討ち取ったことを全力で叫ぶ。その咆哮に飛信隊は最高潮に喜び盛り上がる。
しかし、趙兵が迫り来る中、急いで退却する必要があった。

羌瘣は劉冬に緑穂を突き刺し、致命傷を与えていた。劉冬は地に倒れつつも羌瘣に離眼へは行かせぬと最期の力を振り絞り口にした。羌瘣は口約束だが、劉冬が恐れるようなことは離眼では起こさせないと誓い、劉冬に偶像を返す。劉冬はそれを受け取ると息を引き取る。
そこに趙兵が迫ってきて、羌瘣達を襲おうとする。羌瘣は退却しようとするも呼吸を戻さなければ動けなく、趙兵が来るまでに間に合いそうになかった。
しかし、そこに馬に乗った信が現れ、右手で羌瘣を抱え、颯爽と走り去ったのであった。

そこから慶舎軍によるすさまじい追撃が始まったが、樹海の視界の悪さは逃げる飛信隊に大きく味方した。

信が慶舎を討ち取ったのは正に電光石火の一撃であった。奇襲が起きた場所も丘の裏側であったため、慶舎討ち死にの事実に桓騎を始め、まだ誰も気づいてなかった。最初に伝わったのは趙軍右側の将金毛と左側の紀彗であった。紀彗は慶舎と劉冬討ち死にの事実を聞かされ、その場で叫び、泣き崩れた。
しかし、紀彗はまだこの戦争を終わらせないと決意し、すぐ金毛に頂上に来るよう伝令を走らせる。



紀彗が慶舎の後を継いで総大将になり、戦争は続きそうですね。
しかし、桓騎軍の圧倒的な優勢は変わらないだろうから、ここからどのような展開を図るのかは紀彗の手腕が問われるところとなりそうですね。

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