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第429話 将の人望

一心不乱に信は一騎で戦場を駆け抜けていた。戦の鍵となる大王の子、麗の行方は信の腕に託されていたためである。信は脇腹から血を流しつつあったが、間一髪のところで陽を守りきることができた。そして、陽の前に立ち、反乱軍から陽を守ろうとした。琉期が馬上から信を斬りつけようするが、信は馬の首を次々と斬りつけ、敵を馬上から降ろす。琉期は四人で囲み、信を倒そうとするが、信の圧倒的な強さの前に琉期以外は斬り捨てられ、琉期自身も右腕を切り落とされる。
さらに飛信隊が追いつくと他の反乱軍は琉期を置いて逃げ返っていったのであった。その光景を見て、田永はうちらの大将とは大違いだと言う。信は田有の傷の具合を心配するが、隠れていた王宮の仕えに手当てを頼んだので、大丈夫だと教えられる。
信は琉期の胸倉を掴み、なぜここまで来れたかわかるかと言い、さらに琉期は来る途中人を殺し過ぎで、その血の跡を追ってきたためだと続けた。琉期は怒っている信に対し、それが軍の特権であり、大勢の人間を虫のように殺す快感をというと、信は顔面におもいっきり拳で殴りつけた。飛信隊員は琉期を斬らない信に対し、なぜ叩き斬らないかと問うと指揮官級は出来るだけ捕まえて黒幕の呂不韋まで罪を暴かなくてはやらないからだと返す。
信は麗と向き合う。怖かったかと聞くと首を横に振ったので、信は顔だけでなく気の強さも政似だと喜ぶ。さらに信は自分のことを知っているかと聞くとまた首を横に振ったので、信は抱き上げ、お前の父ちゃんの一番の友達の信だと話す。



まずは今週は合併号でしたので、来週はキングダムお休みです。

信が間に合って良かったと思います。飛信隊がいれば、もう樊於期が来たとしても、守り抜けると思います。
これからの展開も気になりますが、まぁ大丈夫かなと…さすがに呂不韋といえども、まだここからの一手があるとも思えない。


無事に楚(上海)から戻ってまいりました。ほぼ会議でしたので、あまり街を見ることはできませんでしたが、なかなかの活気があるように感じました。
しかし、白酒をビールに混ぜて飲む爆弾を五杯くらい飲まされた時はフラフラでした…

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第428話 命懸けの逃避

咸陽の後宮まで殺戮を極める毐国軍。後宮では琉期が暴れまわり、宮女達はその犠牲となっていった。
微久は陽と向を逃がすために隠し通路を進んでいた。しかし、微久は地下道に続く扉の前まで来た時、異変に気付く。それは今朝、地下道入口の錠が閉まっていることを確認した際に念のために黒石を扉に付けておいたが、その黒石が動いていたことであった。何者かが中に入っていることを意味しており、四人は別の道へ進もうとする。そこに一人の文官が現れ、地下道へ入ることを勧める。微久は不穏さを感じ、四人で逃げるため、文官はついてくるなと言う。その瞬間、文官は持っていた刃物で向を殺害しようとするが、微久が割って入り、身を盾にして守る。微久と文官が縺れ合い、陽の足上に倒れる。その瞬間、陽に激痛が走る。
陽と向は素早くその場を立ち去る。陽と向は外を走り逃げるが、陽の足の骨は折れ、患部は膨れ上がっていた。陽は折れた足を引きずりながら、小道を抜け、宮廷を最短で進み、水路の近くまで出た。そこからは舟で北の端まで行けるのであった。
しかし、遠くから琉期が馬に乗って駆けつけてくる姿が見えたのである。来た小道を引き返そうとするが、その小道にも敵兵が来ていた。陽は向に対し、自分が時を稼ぐので、水路まで走れと叫ぶ。向は一緒と言うと陽は何があっても麗を守ると言っただろ、后として、母親として責任を全うしろと力の限り叫ぶ。
その言葉に呼応して、向は麗を連れ、走って逃げる。
陽は向との想い出を心に巡らす。また、親友だけど、どこかで妹みたいに思っていたことを考えていた。それは五歳の時にたった一人の妹が病死してしまったのを重ねてしまっていたかもしれなかった。陽は最後に天よどうかあの二人の命だけはお守り下さいと祈る。
そして、敵の騎馬の槍が陽向かって振りかざされる。
陽は死を覚悟するが、その槍は陽には届かなかった。それは信が間一髪のところで、その敵兵を斬り捨てたためであった。信は単身敵兵の前に現れたのであった。



陽ちゃんの男気に今週は危うく泣くところでした。私は陽ちゃんも好きなキャラなので、ここで死んでしまうのは悲しい!と思いましたが、さすが信ですね!ホント間一髪で助けられて良かったと思います。
多勢に無勢ではありますが、蕞のときに見せた百を見せれば何とか守り通せると思います!


先週も申し上げましたが、来週は上海出張のため、申し訳ございませんが、更新は土曜日の昼過ぎになる予定です。何卒宜しくお願い致します。
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第427話 決意の言葉

壮絶な過去を乗り越えてきた政が語る人の本質は光という思想。それは一堂に驚きを与えた。
政は九歳の時に紫夏が身を盾にして趙から救出してくれたことに触れ、その時に初めて人の優しさと強さと強烈な光を見たと話す。初めは紫夏だけの特別なものかと思っていたが、そうではなかったのだ。王騎、麃公、成蟜、ヒョウも形、立場が違えどみないちように自分の中心にある光を必死に輝かせて死んでいった、そしてその光を次の者が受け継ぎ、さらに力強く光輝かせる。そうやって人は繋がり、よりよい方向へ前進する。人が闇に落ちるのは己の光の有り様を見失うから、見つからず、もがき、苦しみ、悲劇が生まれる、その悲劇の最大が戦争であるため、この世から戦争をなくすと宣言する。
呂不韋は武力でですかと問うと政は武力でだと返す。政は戦国の王の一人として、戦争から離れられぬ運命にあるため、暴君と言われようと自分の代で中華を分け隔てなく統一し、戦争を終わらす、そうすれば政の次の代は人が人を殺さなくてすむ世界になると豪語する。
呂不韋は政の発言に言葉を失う。そして、大王の語る世と呂不韋が語る世では前提が違い過ぎるため、もはやこれ以上語り合っても平行線でしょうと話す。しかし、呂不韋はそれにしても大きゅうなられましたな大王と続ける。
そして、貨幣と光、相対する二人の野望の行方は激戦の渦に沸く咸陽に託されるのであった。



さすが政ですね。大きい理想をもとに何一つブレない考えがある。その理想に呂不韋でさえ、心が震えたと思います。しかし、呂不韋の考える世界も決して間違いではなく、このままだと平行線を辿るため、行く末を咸陽に任せることになりましたが、何もしてでも信に咸陽を守ってもらわねばならなくなりましたね。


皆様に報告がございます。皆様の応援をいただいたお陰で累計100niceを達成いたしました!ありがとうございます!!これからもしっかり続けていきますので、是非ともよろしくお願い申し上げます。

また、4月23日ですが、中国出張が入ってしまったため、ブログの更新が遅れてしまいます。土曜日にアップしますので、何卒よろしくお願いします。
上海に行くのですが、当時で言うと斉になるのかな?
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第426話 人の本質

問い詰められた政の周囲に満ちる謎の声と光、中華の行く末を決める対談は佳境へと進む。
呂不韋は言葉を発しない政に対し、己の描く道が誤りであるとようやく気づかれましたかなと尋ねる。しかし、政の目にはしっかりとした意志が宿っていた。瑠衣は政に寄り添うように漂う光が呂不韋や李斯達には見えていないことに気づく。
政は口を開く。呂不韋が口にした為政は所詮文官の発想の域を出ないものだと一蹴する。戦いに向き合わぬ為政はいかに耳に響きのいい言葉を並べようとも今の世の延長にしかならなく、一時和平協定の下、富で他国と繋がろうと各国が力を付けきったところで、再びより大きな戦争期間へと突入する。五百年続いた戦争時代が結局のところそのまま続いていく。手前勝手な現実という言葉で問題に蓋をするのではなく、人の世をよりよい方向へ進めるのが君主の役目であり、それが戦国時代を終わらすことであると断言する。呂不韋は政の言葉を妄想の道だと切り捨て、戦争は人の本質の表れ、人の世の営みの一部で、その否定は人の否定であり、現実を受け入れて為政に挑まねば世は前進しないと言い切るが、政は違うと叫び、呂不韋は人の本質を大きく見誤っていると豪語する。その言葉に場は静まり返る。
再び政が口を開く。確かに人は欲望におぼれ、あざむき、憎悪して殺す凶暴性も人の持つ側面であるが、本質ではない。その見誤りから争いがなくならぬと思い込み、その中で最善を尽くそうとしているが、それは前進ではなく、人への諦めである、そこに気付かぬが故にこの中華は五百年も戦争時代を続けていると言う。
呂不韋はそれでは大王の言う人の本質は一体何なのか、邯鄲で正に人の闇に当てられた悲惨な経験を踏まえた言葉でお聞かせ願おうと言うと政は冠を外し、無論だ、おれの歩みはあそこから始まっていると言う。
政は趙にいた時代、国外に逃亡する際、全くの赤の他人の政のために命を張って守った紫夏を心に思い出していた。

そして、政は人の持つ本質は光だと口にする。



さすが政です。呂不韋の完璧と思われた持論を否定し、政の持論を展開する。呂不韋の持論を人への諦めというのはその通りであり、確かに諦めた時点でそこで発展は終了だと思います。
しかし、正直呂不韋の言っていることもまだ私の中では正しいと思うところもあります。
光が人の本質であれば、またその闇も人の本質ではないかと思います。
世の中に性善説と性悪説があるように両方本質であるが故に世の中が成り立っているのでないかと思ってます。
何れにせよ、来週が楽しみです。
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第425話 正しい感情

宮殿深くまで入り込み、殺戮を恣にする反乱軍。大王の子が篭る後宮まであと僅かのところまで来ていた。城外の戦いでは戎翟軍が鎮圧軍を押し返しており、反乱軍優勢となってきていた。
戎翟はその矛を振るい、暴れ回っていた。尚鹿は戎翟の強さに驚き、圧倒されていた。戎翟は尚鹿と貂に向かい、この時が来るのを百年待ったと話す。百年前、戎翟は秦に征服され、糾合された、秦としては田舎民族の一つかもしれないが、戎翟としてはそうはいかなく、祖父達が受けた不条理を倍にして返しているだけだと吐き捨てる。

信は後宮を目指し騎馬でひた走る。そこに二人の王宮警備隊と出くわす。信は飛信隊であることを名乗り、後宮までの近道を聞くと、一人の警備兵はあそこの建物の脇道だと言い、信の意識がその建物に向くと、もう一人の警備兵は隙のできた信の脇腹に刃を突き刺した。さらに城壁に弓隊が現れ、信に対して一斉射撃を行う。しかし、間一髪のところで田有が身を呈して信を護った。田有の背中には無数の矢が突き刺さっていたのだ。

呂不韋と相対していた政は明らかに顔色が悪くなっていた。政は呂不韋の後ろに数多くの亡霊の手を見ていた。
政は呂不韋のやり方では戦はなくならぬと話す。呂不韋はそれを認め、いかなるやり方でも人の世から戦はなくならないと断定する。それは武器商人として、広く戦を見てきたからであった。命懸けで戦う者達の思いはそれぞれであり、大義のために戦う者、仲間のために、愛する者のために戦う者、私利私欲のために戦う者、復讐を果たす者、しかし、誰も間違ってなく、どれも人の持つ正しい感情からの行動であり、だからこそ堂々めぐりになる、復讐心一つをとってもそれを無くすのは至難の業である、邯鄲でそれを味わった大王であれば十分承知でしょう、戦争はなくならないと話す。
政はさらに多くの亡霊の手を見て、混乱しそうになるが、そこに何処からか大丈夫ですと言う声が聞こえる。さらにあなたなら力強くそうでないと言えるはずと語りかけてきた。その時、政は紫の玉の光を纏っていた。



語りかけてきたのはきっと紫夏さんですね。復讐は復讐を生むが、必ずしもそうではないと身をもって経験した政が言い切るのであろうと思います。呂不韋を論破するのが楽しみです。
しかし、田有さんは心配ですね…きっと身体が丈夫なだけが取り柄だと言って、回復することを祈ってますが…
信の怪我も心配です
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第424話 夢のような国

若き日の呂不韋は師と呼んでいた人物と意見を交わしていた。師は自分達が届けた武器で殺し合いが行われている光景を見て、呂不韋に対し、たまらぬなと呟く。師は戦こそ正に人の愚行の極みであると言うが、呂不韋はそれもまた人の営みの一部であると考え、それよりも武器商が儲かることに興味を抱いていた。しかし、師は今回武器を流したのは火急に大金が必要であったためであり、節度のある商人として、武器に手を出してはならぬと諌める。目の前で人が死んでいく様を見て、あの戦いで利を手にするのは戦っている張本人ではなく、国の中枢の人間たちであり、戦いとは虚しいものと師は感じていた。呂不韋は虚しくはないが、愚かであると考えていた。呂不韋は軍資金があるならもっと別の楽な方法で戦で勝つよりも多くのものを手にできる、人が手に入れた最強の武器は剣や槍ではなく、金であり、金を使い、人の欲望を操り、国を大きくすると言い、並み居る商人の頂点に登りつめ、全てを手に入れると断言する。

呂不韋は相対した政に対し、貨幣制度が天下を作ったのであり、金が人の欲を増幅させたと話す。千年以上前、貨幣制度の誕生により物々交換であった世界は一変し、運搬しやすく腐らぬ貨幣は物流に距離を与え、散在していた社会を次々と広げた。しかし、金のもたらした最大の発見は裕福の尺度であり、他人と裕福度を比較する物差しを手にしてしまったのである。当然生まれたのは他より多くを得たいという強烈な我欲であり、それから千年は中華という広大で複雑な世界へと進化したのである。そして、人は天下という言葉を口にしだす。かつての世は「天」の恩恵を預かる世界、「下」はあまねく天に支配されるものであったが、天の下が中華となり、それは人間がその手で支配できるのではと思わせるものへと変わったと語った。
政はまるで金が全てのようなもの言いだと言うが、呂不韋はそうであると断言する。政は呂不韋が王となれば人の我欲を至上とする醜悪な世になると言い切ると呂不韋は戦争を第一手段とする世の中よりはるかにマシと反論する。為政者は国民に血を流させるのではなく、国により多くの幸福をもたらす者であらねばなりませぬと諭す。理想を掲げて国を治めようとする政に対し、呂不韋は金を操って国を治めようとしたのである。
蔡沢は呂不韋に対し、金でどう国を治めるか問うと全実権を呂不韋に委ねるのであれば十年で秦を中華史上最も富に満ちた国に成長させ、物があふれかえり、飢えなど無縁の世界にし、秦人全員が人生を楽しみ、謳歌する国を作ると言う。蔡沢はまるで夢のような国だが、それを乱世が許すのかと問うと乱世だからこそと断言する。秦が溢れるばかりの富を示せば他国の人間は必ず羨ましがり、秦に流れてくる、他国の王がそれに危機を感じるなら、富を分け与え、手を握る。刃ではなく富を交わらせて関係を築いていき、中華全体の経済を秦を中心とした発展にするとし、暴力ではなく、豊かさで全体を包み込む、それが呂不韋の考える正しい中華の統治であった。つぶして従えるという蛮行は争乱の世こそ大国が見せてはならぬ姿であり、暴力で征服し尽くす中華統一は以ての他である、国が一つになれば国家間の争いがなくなるが、それは勝利する側の身勝手な夢の押し付けにしかならなく、敗北国には秦への怨念しか残らない、それこそ未曾有の闇に包まれる。自国民にも多大な犠牲を強いるやり方は狂気の沙汰であり、それでも中華統一が王の道として揺るがぬというのであれば、大王は誰よりも玉座にあってはならぬ人間だと豪語する。




呂不韋の自論は最もだと思ってしまいました。確かに国が裕福になれば幸せと感じるようになるでしょうし、満足感があれば他国から奪おうとも考えないため、戦争がなくなっていく、国という形こそ残れど平和な世になる。
しかし、そんなに未来永劫に富が続くとは到底思えないし、呂不韋が出来ても呂不韋亡き後は再び乱世に戻るような気がしますが、、、でも目指す方向は非常に良いのではないかと思っちゃいました。
来週政がどう呂不韋を論破するか楽しみです!!この場を正面から切り抜けてこそ、中華の王だと思うので、期待してます。
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第423話 天下の起源

中華統一という政の夢を一笑に付す呂不韋。そこに瑠衣、李斯、蔡沢二人きりの部屋に現れる。さらにその後ろには太后もいた。呂不韋は政に対し、これはどういうことかと問うと政は呂不韋に対して話し始める。
呂不韋が嫪毐を後宮に忍び込ませた張本人であることは調べがついており、此度の反乱の首謀者嫪毐を作った元凶である。しかし、裁くことができなかった。七年前の竭氏、成蟜反乱を黙殺した時も、その後の刺客団による暗殺未遂の時も、近くは成蟜が死んだ屯留反乱の時も、一度も背後にいた呂不韋を裁くことができなかった。しかし、今度は違う、今行われている咸陽の戦いで勝利した暁にはいかなる言い逃れも許さず、必ず呂不韋まで罪を波及させ、大罪人として処罰する。そうして呂不韋を権力の座から引きずり降ろし二人の戦いに終止符をうつと力強く言い切った。呂不韋はそれを正面から受け止め、咸陽での勝利という条件付きの話ですがなと返す。政はどちらに転ぼうと秦国の中枢は新しき体制に生まれ変わる、ならばここまでいびつながら現体制の中で国政に関わり国を支えた者たちに、そして新しき政府でも大役を担う者たちに節目となる我々の言葉を、聞かせておくべきとは思わぬか呂不韋と語りかける。その言葉の意味は政は勝利した後は李斯らさえ登用するということであった。その言葉に蔡沢、李斯は驚きを隠せないでいた。
呂不韋は一向に構わなく、聞かれてまずいのはむしろ大王ではないかと言う。その言葉を政は無視すると呂不韋はでは皆にも聞かせてやって下さい、中華統一という狂気の願望を抱く胸の内をと続ける。

政は一度目を閉じ、そして開く。政は人の道を断ずる前に自分を語れ呂不韋と言う。これまでいつも大口を叩き、人を翻弄してきたが、その実腹の底を見せる言葉は口から出ぬ、天下を語ろうと誘うならば、呂不韋自身も腹を据えて口を開け、何を持って中華統一を狂気と断ずるか、まずはその理由をお前の言葉で明らかにしろ、上辺の中傷ではおれの夢には通じぬと断言する。政のその言葉に場は静まり返る。
呂不韋は元よりそのつもりであり、断ずる根拠として、呂不韋から見た天下像について話し始める。まず最初に天下を語る上で国、民、王それらの前に大切なものを明らかにしなくてならなく、それは天下の起源であると話す。今、我々の示す天下というものはいつ始まったか、何によって生み出されたのかご存知かと政に問う。政が沈黙を続けると答えはこれだと金を手にして示した。
政は貨幣制度かと返すと呂不韋はさすがですと言い、これこそ人の歴史における最大の発明にして発見であり、全ては金から始まったという。



呂不韋と政の天下理論がどう発展していくのかが楽しみです。呂不韋が金といった背景が気になりますね。呂氏春秋を完成させたほどであるから、かなり論理的なんであろうと思います。また、金は現代社会においても人の行動を左右する重要な要素であることから、非常に興味深く思います。
しかし、それをさらに政が論破してくれることを期待しちゃいますね!

李斯、蔡沢までも登用しようとした政はやはり偉人であると思います。個人的な感情は無視して、中華統一に必要な人材は何かを考えた答えだと思います。
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第422話 守りぬく命

飛信隊と蕞兵は王の子を死守すべく、反乱軍と死闘を繰り広げていた。その最中、信は政と二人で会話をしていた頃を思い出す。信は政に子供がいるってどんな感じだと尋ねる。信は親の顔も知らないため、その感覚がよくわからないでいた。政はそういう意味では自分も親子関係は疎いが、子供に関して思うのは時に不安と苛立ちと多分に笑いをさそう困った存在だと話す。信はその言葉を嬉しそうに聞いた。政が麗はそんなに体が強くないので、気をもむこともあると言うと信はだったら最初はしっかりと守ってやらないとなと返す。

後宮ではまだ反乱軍の様子を目に捉えるとこはできなかったが、入城してきていることをその雰囲気から感じ取っていた。微久は王都は王宮を守るべく壁や街で囲い作られており、さらに後宮は王宮の後ろに隠された閉ざされた城であるため、簡単に反乱軍は来られないと話す。しかし、陽はだとしても万全を期すべきと返す。微久はもちろんと言い、陽と向と麗だけを誰も知らぬ隠し通路へ導くこととした。向は麗を胸に抱き締め、何よりも第一に守られるべき命がここにあるとし、母として、王の后の一人として、命に代えてもこの子の命は守り抜くと誓う。そして、四人は隠し通路に向かったのであった。

樊於期の息子琉期は咸陽の民を切り捨てながら王宮、後宮を目指す。ところが、咸陽のあまりの大きさに驚き戸惑っていた。しかし、樊於期は呂不韋からの情報を元に最短の道がわかっており、先を急いだ。
飛信隊もようやく城外の反乱軍を蹴散らし、入城するも、その咸陽の大きさに驚いていた。しかし、信は王宮には何度も足を運んでいるため、王宮への道筋はわかっており、騎馬隊を率いて全力で向かう。

一方、雍の天備宮では政と呂不韋が相対して座っていた。しかも、席は対等であった。政は咸陽の戦いにより、明日どちらが玉座に座るか決まるため、最後の対話であり、対等に座して語ろうとしたのであった。呂不韋はではと口を開く。ずっと妙な噂を聞く、中華統一という馬鹿な噂だと、天人になるおつもりか、夢想の中の物語ならばよしとするが、本気ならおよそ血の通った人間の歩む道ではござらぬぞと挑発する。



咸陽もなかなか危機的な状況となってきました。樊於期に予め地図と渡すといったところはさすが呂不韋で抜かりがないですね。たぶん誰も知らぬ隠し通路も呂不韋はその情報を入手しており、樊於期もそこを目指している可能性がありますね。
しかし、信には王暗殺の際に一度隠し通路にも入っている経験があるため、何とかギリギリ向と麗を助けることができるのではないかと思います!!
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第421話 二の舞

呂氏四柱の立場を顧みず、呂不韋に反旗を翻した昌平君は大王陣営として咸陽救援に向かおうしていた。昌平君と昌文君は馬上にて対峙する。昌文君は昌平君に対し、飛信隊へ反乱の報せを送ったことに感謝し、昌平君の加勢は百の勢力を招き入れるより、万倍の力になると喜んだ。
昌平君はこの期に及んで宮中内の勢力争いに意味を持たなく、大王と呂不韋の勝敗は咸陽の戦いに委ねられたと言う。昌文君もその意見に賛同した。介億は大王の護衛に抜かりはないかと聞くと壁が馬鹿正直に二人きりにするつもりはなく、一軍並の兵力を置いて大王を守ると答えた。しかし、昌文君は宮殿の方を気にして、見つめていた。昌平君は心配かと尋ねるとそれを否定し、よもや呂不韋から天下という言葉が出てくるとは驚いたと返した。昌平君は十年以上呂不韋の下についてきたが、秦史における二大丞相に肩を並べる大人物であることは間違いなく、もしかしたらまだ本当に呂不韋の器をわかっていないかもしれないと口にした。

咸陽では飛信隊が活躍を見せていた。樊於期は息子が飛信隊を潰しに行こうとすることを制し、西側に移動する。西側ではまた内部工作により、門が開いたのであった。そこに反乱軍が雪崩れ込み、その中には樊於期親子の姿もあったのだ。昌平君の近衛兵にも限界があり、危機的な状況であった。信は反乱軍に進行方向を阻まれているため、悔しながらもそれを見るしかなかったのである。そこに貂の信と呼ぶ声が響き渡る。信はその声を聞き、貂の方を見ると目が合い、咸陽に来る間の貂とのやりとりを思い出す。
それは屯留の二の舞にしてはいけないということであった。あの時は成蟜救出に間に合わなかったが、今回はそんなことはあってはならなく、救わなくてはならないのは政の子供であると貂から言われていたのであった。
それを思い出した信は大声で叫ぶ。飛信隊、そして蕞の兵聞け、今戦っている敵の本当の目的は咸陽陥落ではなく、王族であり、一番狙われているのは秦王政のまだ幼い子供だ、そんなふざけたマネは絶対やらせない、あの時はみたいに力を貸せ、飛信隊、蕞兵、死力を尽くして大王の御子を助けに行くぞと信は戦場に声を響き渡らせた。それに飛信隊と蕞兵は呼応し、全員の力が漲ったのであった。そして、反乱軍に突撃を仕掛ける。



咸陽内部にどこまで呂不韋の手が回っているかわかりませんが、かなり危うい状況ですね。貂の言う通り屯留の二の舞にしてはならなく、時間との勝負になると思います。
しかし、何かもう毐国の存在感薄すぎますね…ちょっと忘れてた
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第420話 袂を分かつ

加冠の儀十日前、信の元に送られてきた軍総司令からの伝書には重要な内容が記されていた。それは呂不韋の手先であった伝者孫築に中身を読み取られないよう工夫がされてるほどであった。一見、通常の軍略指令のように見えるが、真の意味は加冠の儀を狙った反乱が起こるということであった。信はその伝書の内容に驚くが、呂氏四柱である昌平君が暗号文まで使って反乱のことを教えるのはおかしいと混乱する。しかし、貂はそれ故とてつもないことであり、この暗号文は単なる乱の知らせだけでなく、ついに昌平君が呂不韋との袂を分かつという意思表示でもあると説明した。

雍では呂不韋が昌平君に対し、なぜ今そちが立つと詰問する。そのやり取りに会場一体は静まり返り、全員の注目が集まっていた。そして、昌平君は口を開き、左丞相昌文君と共に咸陽へ行き反乱を鎮めてまいりますと返答する。呂不韋は昌平君に対し、お前は自分の言っている意味がわかっておるのかとさらに全力で睨みつけながら詰問を重ねた。その気迫に会場はさらに緊迫感が増し、全員刻が止まったように硬直し、二人に視線を注いでいた。昌平君は余計な問答は必要ない、察しの通りだ、世話になったと呂不韋に返答する。
昌平君の言葉により、会場全体に衝撃が走る。長年連れ従った四柱の一人昌平君が呂不韋陣営から離反した瞬間であった。
李斯は怒りを抑えられず、立ち上がり昌平君に対して、ふざけるな我々を裏切ってその足で大王陣営につくというのか昌平君、共に呂不韋様にくすぶっていた才を拾い上げてもらった身、貴公には義という言葉はないのかと叫ぶ。しかし、昌平君はその言葉を意に介さず、行くぞ介億とだけ言う。さらに李斯は止めようとするが、呂不韋はもうよいと制する。呂不韋はあえて泥舟に乗り換えたいというのであればよいとし、今から十一年前に丞相となり、最初に権をふるい人材登用したのが昌平君であったが、本来人の下につくような人物ではなく、いずれこういう日はくると思っていたと話す。しかし、呂不韋は案外遅かったなと言い、昌平君に行くがいいと続ける。
さらに呂不韋は成り行きをずっと見ていた会場に対して、しかし、こんなことで一喜一憂する愚か者ばかりよ、四柱は呂不韋自身を華やかに彩る装飾に過ぎなく、一つ二つ身から剥がれ落ちようと呂不韋という人間の強大さは一切揺らぐものではないと言い切り、うぬらは全員誰一人呂不韋という男の大きさを測れておらぬと言い捨てた。
呂不韋の視線は政に向く。そして、加冠の儀も終わり、今まさに刻が満ちようとしている頃であり、場所を変え、どこか二人きりで天下などについて語らいませんかと誘う。



ついに昌平君が呂不韋から離反しましたね!「世話になった」というフレーズは「とるに足らぬ小事です」に並ぶ名言で、カッコイイと思いました!
しかし、それでも汗一つかかない呂不韋…昌平君の離反が決定打となり、失脚に追い込まれると思っていましたが、微動だにしないとは…
呂不韋に言わせれば私なんかも当然愚か者なのでしょう…もう呂不韋が大きすぎて測れません泣
しかし、その呂不韋が唯一認める相手が政なんでしょう。だからこそ二人きりで天下について語ろうと誘ったのでしょう
続きが気になりますね
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